消費者月間特別講座で講話する大城弁護士 =県宮古合同庁舎講堂

実際の事例から対策学ぶ 消費者月間で特別講座

 県消費生活センター宮古分室(比嘉浩明分室長)は3日、県宮古合同庁舎講堂で消費者月間特別講座を行った、法テラス宮古島法律事務所の大城雅喜弁護士が「契約について考えよう!知って得する法律知識」と題し、同分室に実際に寄せられた消費者トラブルの事例などに大城弁護士が回答する形式で行われた。特に相談件数が多い通信販売に関してはクーリング・オフができない場合の対応策などを説明していた。
 比嘉分室長は開会あいさつで「ネット社会は便利であるが、さまざまなトラブルが発生している。この機会に法律について話してもらい、賢くネットもデジタルも活用してほしい」と参加者に呼び掛けた。
 昨年、同分室に寄せられた相談の販売・購入形態では通信販売(ネット通販、TVショッピング、カタログ通販など)が109件とトップで、その中でもネット通販による化粧品の定期購入に関する契約トラブルが最も多いが、大城弁護士は「ネット購入の場合、自分でどの商品が良いか決めているので、訪問販売のような不意打ちにならずクーリング・オフは適用されない」とし、事業者の規約に沿って解約や返品などの対応を取ることを説明した。
 ネットやSNSで「簡単に稼げる」という広告で勧誘する内職・副業の高額契約トラブルについて同分室は▽安さや気軽さ、メリットを強調した広告に注意▽契約を急かし、借金を促す勧誘に注意▽契約はその後のことを考えて慎重に検討し、不安があればきっぱり断る▽契約後、クーリング・オフや契約の取り消しができる場合がある▽早めに消費生活センター等に相談する―を呼び掛けた。
 5月は消費者月間で、2023年度の統一テーマは「デジタルで快適、消費生活術~デジタルで社会の進展と消費者のくらし~」だった。期間中、同分室では市役所総合庁舎や未来創造センターなどでパネル展、街頭での消費者啓発キャンペーンを行ってきた。

関連記事一覧