農作物への被害懸念 早い時期での台風接近
5月末と早い時期の大型台風の接近により農作物への被害が懸念され、市内各地で農家が対策に追われている。現在、葉たばこやゴーヤー、トウガンなどの収穫が行われており、オクラは6~7月に最盛期を迎え、マンゴーも収穫間近となっている。29日、JAの農産物集出荷場には航空便の欠航を見越して駆け込みの出荷が相次いでいた。強風から施設を守るため収穫をあきらめてビニールをはずす農家も出ている。
オクラは6~7月に年間の5割を出荷する最盛期に入る。平良西里のJA宮古農産物集出荷場で出荷していた下地のオクラ農家は「まだたくさんある。台風が来るまでに取れるだけ取って出荷しないと」と話し、足早に去っていった。
JA宮古地区営農振興センターによると、オクラは5月末で11㌧と計画の1割ほどが入荷したばかり。担当者は「今年は去年のような長雨がなく生育が良かったので期待していた。ようやく日量1㌧まで出荷が伸びてきたところ。単価の高いピーク時なので被害を受けるとダメージが大きい」と顔を曇らせた。
ゴーヤーは例年なら6月末まで収穫が続き、JAの計画では約50㌧がまだ残っているという。施設を守るため収穫をあきらめてビニールをはずす農家も出ている。あるゴーヤー農家は「ビニールは取った。収穫できるものもあったが規格外なので出荷できない」と話した。また下地の農家は「あと2㌧ぐらい残っている。ビニールをはずすかは、台風が少し弱まりそうなのでギリギリまで様子を見たい」と話していた。
トウガンは6月中旬まで出荷できたが、上野の農家はビニールをはずして作物を引き抜いた。「だいぶ残っていたが、台風が来るので先にはずした。1カ月早い。もう少し出荷したかったので残念」と施設内の資材を片付けていた。
強風で破れないように対策のため遮光ネットを下ろしていた上野のマンゴー農家は「実が残っていれば張り直す。ハウスがどうなるか分からない。被害がないことを願っている」と話していた。