宮糖伊良部が搬入終了 原料2千㌧圧搾できず
宮古製糖伊良部工場の2022/23年期サトウキビ製糖操業の原料搬入が14日終了した。生産量は6万962㌧で前期比4208㌧、6・46%減少、平均甘蔗糖度は14・35度で0・75度低下した。同工場から海に汚水が流出したことを受けて稼働を停止しているが、再開には現状の回復が必要なため原料約2千㌧が圧搾できない状況にある。宮古地区全体の原料搬入量は33万1618㌧となり、前期比3万1387㌧、8・65%減少した。
原料搬入は終了したが今月5日に渡口港近くの入江で同工場から流出した汚水が確認されたことを受け、7日から工場の稼働を停止している。汚水はボイラー燃料のバガスの集塵灰が混ざった廃水と見られている。稼働再開には汚れた箇所の原状回復が必要だが、伊良部島は県立自然公園に指定されているため、宮糖では関係機関に許可の申請を行っていくという。
搬入原料の糖度の割合は基準糖度帯(13・1~14・3度)が30・0%、14・4度以上が47・97%、13・0度以下が22・03%。14日のみの平均糖度は16・99度。1㌧当たりの農家平均手取り額は2万4323円。ハーベスター収穫率は83・88%だった。
同工場は昨年12月8日から製糖操業を開始。10月中旬から12月の長雨と日照不足により登熟が遅れたと見られ、平均甘蔗糖度は1カ月後の1月8日で12・83度、原料の約6割が基準糖度帯に達しなかった。2月に入って13度台、3月以降は糖度も上昇していった。
生産量は当初見込み6万1312㌧を若干下回った。前期は悪天候によるハーベスターの稼働低下で収穫が遅れ、株出の管理作業も遅れて単収に影響が出たと見られている。
各工場の22/23年期製糖操業の実績は、宮糖城辺工場が生産量11万5531㌧(前期11万8348㌧)で平均甘蔗糖度14・03度(同15・78度)、宮糖多良間工場が2万1172㌧(同3万2697㌧)で14・34度(同15・79度)、沖縄製糖宮古工場が13万3953㌧(同14万6790㌧)で13・40度(同15・37度)。
宮古地区全体の収量減少の要因として昨年の日照不足や夏場の干ばつ、9月の2回の台風接近などが上げられている。