婦人がんの受診率回復 市22年度、コロナ禍以前の水準に

 宮古島市における婦人がん検診(子宮がんと乳がんのマンモグラフィー・エコー)の受診率は、2022年度大きく回復し、コロナ禍以前の水準まで戻ったことが3日までに分かった。40歳以上対象の肺がん検診も、前年度比1ポイント増加と改善が見られたものの、胃と大腸は微増にとどまり、依然低調に推移している。市はがんの対策には早期発見・早期治療が重要として、個別医療機関での受診や集団検診の利用を市民に呼びかけている。
 子宮がん受診率は、18年度から21年度にかけて12と大きく低下していたが、22年度は前年度比9・9ポイント増の34・6%に回復。19年度を上回った。
 乳がんはマンモ・エコーいずれも21年度から回復傾向を見せていたが、22年度はそれぞれ前年度比5・8ポイント、5・5ポイントと大きく伸びた。18、19年度には及ばないものの、コロナ禍前と近しい値まで上昇している。
 肺・大腸・胃の22年度受診率は、順に10・3%、7・8%、3・3%で、前年度比は同じく1・2ポイント、0・3ポイント、0・1ポイント上昇。集団検診が行われなかった20年度比では大きく伸びているものの、コロナ禍前から受診率が低調だったこともあってか、婦人がんに比べて変化に乏しい結果となった。
 22年度の統計みやこじまによると、宮古保健所管内における死因の1位は、19~21年の3年連続で、がんを含む「悪性新生物」となっている。3年間の死亡者計2021人の内、悪性新生物により亡くなった人は502人。全体の4割近くを占めている。いずれの年も、死因の2位は心疾患、3位は脳血管疾患。
 市内の医療関係者からは、コロナ禍でがん検診受診率が低下したことで、本来見つかっていたはずのがんが見過ごされていることを危惧する声も聞かれる。
 市は早期発見すれば90%以上が治る病気であるとして、市民にがん検診の積極的な受診を呼びかけている。23年度も集団検診を7月と10月の2回に分けて実施する予定のほか、昨年度まで7月開始だった個別医療機関での検診を3カ月前倒し。4月から受診料は市の補助を受けられるようになっている。
 がん検診に関する問い合わせは、市健康増進課(73・1978)まで。

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