13対8の賛成多数となった副市長同意案採決 =市議会本会議場

嘉数登氏が副市長に 13対8で同意案可決

 宮古島市議会(上地廣敏議長)の臨時会が25日行われ、副市長に前沖縄県知事公室長の嘉数登氏を起用する同意案を、13対8の賛成多数で可決した。3月定例会では10対11の賛成少数で否決されていたが、中立の市民創会と野党の自民会派が賛成に回った。座喜味一幸市長の提出案は、2回目の議会で理解を得る結果となった。嘉数氏が同日付で副市長に就任したことにより、市における副市長不在は1カ月弱で解消された。
 前副市長の伊川秀樹氏は、2022年度末の3月31日で退職。嘉数氏を起用する案が3月定例会で否決されていたため、座喜味市政は異例ともいえる2度目の副市長不在となっていた。
 同意案を巡る討論では、野党の保守宮古未来会から、前里光健氏と下地信男氏が反対の立場から発言。
 前里氏は「副市長が任期途中にやめることは前代未聞で、宮古島市で初めてのこと。市長の調整力・リーダーシップ不足の表れ。与党議員は行政の混乱を招いてはいけないとして賛成したが、混乱を招いているのは市長自身」と批判。
 下地氏は「伊川前市長の退職は事実上の解任。任期期間中の解任にはそれ相応の理由が必要であり、市長は市民や議会に対する説明責任を果たしていない。人事権の濫用、独善的な人事に賛同するわけにはいかない」と述べた。
 賛成の立場では、与党から市民ネット結の久貝美奈子氏、新政会の池城健氏の2氏が発言。
 久貝氏は「伊川氏の退職については、私にも納得いかない部分がある」とした上で「副市長が不在になると市政運営が停滞し、何より市民サービスが低下する。一刻も早く決定し、これからは市長にしっかりと進めてほしい」と求めた。
 池城氏は「この同意案は、嘉数氏が副市長として適任かそうでないかを判断するもの。嘉数氏は県の中枢で働き、その経験と手腕は多くの人に認められている。市を発展させるため、その力を発揮して市民のために働いてほしい」と語った。
 23人の議員のうち、中立・野党から1人ずつが欠席。与党7人・中立4人・野党2人の議員が同意案に賛成。野党2会派の8人は反対に回ったが、13対8の賛成多数で嘉数氏の副市長就任が決定した。

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