海外クルーズ船が再開 スターブリーズ号寄港
米国ウインドスタークルーズの「スターブリーズ」(1万2969㌧)が8日、平良港に寄港した。新型コロナ感染拡大の影響で運休が続いていた海外クルーズ船が3年ぶりに再開し、平良港旅客受入施設(CIQ=税関、出入国管理、検疫)が初めて使用された。同施設出口では宮古島観光協会をはじめ関係者が上陸した旅客を歓迎した。今後、海外も含めてクルーズ船の寄港が徐々に回復していくことが期待されている。
「スターブリーズ」には米国やカナダ、オーストラリアなどから217人の旅客が乗船し、香港を出港して台湾基隆、石垣を経て平良港のクルーズ船専用岸壁に午前8時に寄港。前日の石垣寄港時の検査で新型コロナ感染者はゼロ人だった。セレモニーは行われなかったが、CIQの出口ではミス宮古島や市のイメージキャラクター「みーや」らが横断幕で歓迎。一緒に記念撮影をする旅客もいた。
東平安名崎や伊良部大橋などを巡るバスツアーが行われ、市街地までのシャトルバスも運行された。八千代バス・タクシーの砂川能樹社長は「全国旅行支援で国内客は増えているが、3年間の疲弊を取り戻すにはまだ時間はかかる。今後、外国の観光客がどれくらい来るのか。海外クルーズ船の再開をきっかけに良い方向に進んでほしい」と期待を寄せた。
海外クルーズ船再開について同観光協会の平山茂治専務理事は「海外クルーズ船の寄港はコロナが世界的にも落ち着いてきたということ。宮古経済回復の一助になると思う。空路は順調に伸びており、海路も再開すれば活気も戻ってくる。一方で常に感染対策も含めてしっかりと受け入れていきたい」と述べた。
市観光商工課の川平敏光課長は「完全な回復にはまだ時間がかかると思うが、これをきっかけに増えてほしい。今後、下船する旅客も徐々に多くなる。関係機関と連携して受入体制を構築したい」と話した。
平良港湾事務所の照屋雅彦所長は「寄港に感謝したい。これから少しずつ海外クルーズ船が再開して、コロナで落ち込んだ経済が回復することを期待している。さらに大きな船が入るときの課題を解決して迎え入れたい」と語った。