今夏シドニー大へ派遣 クラウディアさん(宮古2年)
文部科学省は7月2日から15日にかけて、宮古高校理数科2年生のチャサネス・リマ・クラウディアさんをオーストラリアのシドニー大学に派遣する。同大で開催されるハリー・メッセル国際科学学校に留学する科学奨学生にクラウディアさんが合格したため。各県1枠の1次選考を通過した全国の生徒から10人が選ばれるもの。中国やインド、タイ、アメリカなど世界各国から140人が参加し、講義などはすべて通訳なしの英語で行われる。
科学学校はシドニー大学の物理学財団が1958年から開催している。最新の科学知識に関する講義を受けるととともに、他国の高校生との交流を深めることが目的。奨学生には東京―シドニー間の往復航空券と滞在中の宿舎、科学学校のテキスト、奨学生認定証書が贈られる。国内の交通費は原則自己負担。
1次審査は願書や自分についての記述作文などを英語と日本語で作成する書類審査。2次審査は英語と日本語を交えた面接で、オンラインで開催された。面接試験は駐日オーストラリア大使館の協力で行われた。
クラウディアさんはキューバ人の父と日本人の母の間に生まれた。城辺皆福在住。父はスペイン語圏出身で、家での日常会話は日本語で行っているという。高1の秋に英検準1級を取得。卒業後は海外の大学進学も視野に入れており、夏の留学の準備も兼ねて、国際基準の英語能力試験・TOEFLの勉強に励んでいるという。
宮古高校で24日開かれた報告会で、クラウディアさんは「多くの人の支えがあって合格できたと思うので、とても感謝している。英語で講義を受けられることと、色んな文化圏の人とコミュニケーションを取り、一緒に生活できることが楽しみ」と語った。
金城透校長は「学校全体で凄い快挙だと喜んでいる。外国での生活が、クラウディアさんの成長をさらに後押ししてくれると思う」と激励。
英語を指導した外間正士教諭は「彼女の日々の努力のたまもの。世界で色んなことを経験して、宮古で発信してほしい」と話した。ALTを務めるカレン・イイヅカさんは「彼女のことをとても誇りに思う。世界中から集まったさまざまな背景を持つ人と交流する良い機会」と述べた。