記者会見で質問に答える玉城知事
=県庁
玉城知事「従来考え、米軍に伝える」 米軍の下地島空港使用
【那覇支局】玉城デニー知事は24日、県庁で定例記者会見し、米軍が31日に下地島空港を訓練で使用する申請を県に行っていたことに関連し、「屋良覚書では下地島空港の使用方法は県が決定すること、国は民間機以外の使用させる権利や命令する法令上の根拠を有していないことが確認されている」と強調。その上で「従来の考え方を米軍にも説明していく」と述べ、使用の自粛を求めていく考えを示した。
米軍は13日、「人道支援、災害救援目的の習熟飛行」を目的に同空港を使用するとして県に「空港使用届」を提出。県は屋良覚書や西銘確認書を根拠に難色を示し、自粛を求めた。米軍は19日、県に対して「同空港の使用を見送る」と連絡していた。
米軍の同空港の使用は2006年に軍事演習のため、フィリピンへ向かう途中で給油のために利用した事例がある。
米軍が日米地位協定を根拠に使用を申請したことを法的に拒否するために条例などを制定する考えがあるかを問われ、玉城知事は「屋良覚書や西銘確認書で確認されていることが県と政府双方の共通した考え方であることを堅持していく。また、必要であればどのような法的な対応が可能なのかについては研究しておきたい」と述べた。
安全保障において必要な自衛隊や米軍の訓練を拒否する県の姿勢を疑問視する声について玉城知事は「訓練に対する意見は様々ある。南西諸島においては自衛隊の配備反対という強力な声が挙げられ続けている。我々としては、過重な不安や負担が増強することはないよう屋良覚書や西銘確認書に則って、下地島空港は民間機の運航に徹することを政府に要請していく」と話した。