基本計画の作成に向けて意見を集約した検討委員会 =平良港ターミナルビル

観光客受け入れ体制強化 コロナ後の増加見込む

 宮古島市(座喜味一幸市長)は20日、平良港ターミナルビルで今年度の第1回みなとまち宮古再生プロジェクト検討委員会を開き、昨年度に策定した「みなとまちづくり基本構想」に基づいた第1期基本計画案について意見の集約を行った。第1期はコロナ後の観光客増加を見越し、平良港国際クルーズ拠点周辺地域の整備を進める。オーバーツーリズムを防ぐための2次交通対策や、クルーズ船客に対応した商業施設整備などに取り組む方針。
 基本構想では平良港を市の海の玄関口として位置づけ。観光客受け入れ態勢の強化を図るとともに、観光客と市民が共同利用できる魅力あるまちづくりを目指すとしている。
 具体的な事業実施を進めるにあたり、国際クルーズ拠点周辺の港湾地区を「拠点Ⅰ」、今夏ヒルトンホテルがオープン予定のトゥリバー地区を「拠点Ⅱ」と設定。コロナ後の観光客増加が差し迫っているとして、今年度は「拠点Ⅰ」の計画策定作業を進めた。この日の委員会で意見を集約し、今年度中に取りまとめる。「拠点Ⅱ」については、次年度にまたがって検討する。
 検討委員会会長の伊川秀樹副市長は冒頭、「昨年、アフターコロナを見据えた平良港周辺の観光客受け入れ態勢の方針を基本構想としてまとめた。コロナを『2類』から『5類』に移行する検討が行われるなど、大きな変化が訪れると考えている。活発で幅広い議論を願いたい」とあいさつ。
 拠点Ⅰの第1期整備方針ではクルーズ船客への対応として①観光案内機能の強化②島内観光での交通(バス・タクシー)の分散③みなとまちへの誘導と交流拠点整備―を掲げる。
 ①では観光案内機能の整備・充実とともに、クルーズ船客の一時滞在機能を確保するため、旅客受け入れ施設に隣接して商業施設を整備する。不寄港時の集客確保のため、市民なども対象にしたコンビニやファーストフード、土産物店などを想定している。
 ②では港の拠点とトゥリバー地区を結ぶ連絡バスの運用を図るほか、歩いてアートを感じる癒しのプロムナードを整備する。
 ③ではみなとまちの活気を中心市街地に波及するため、商業施設の整備や公園での賑わい空間創出、安全で魅力ある歩行空間の形成などに取り組む。

関連記事一覧