ループバス夏期は２万８千人利用　１日平均、前年比３倍

　観光地や宿泊施設などを循環して結ぶ宮古島ループバスの実証運行を行っている総合商社の双日は、２０２２年度夏期ダイヤ（８月10日～11月10日）運行実績をまとめた。利用者数は２万８８９０人となり、21年度実績（７月12日～９月５日）の５６４８人に対して大きく伸びた。今期は運行日数も増えたが、１日当たり平均利用者数は３２５人で前年実績１１１人の約３倍となった。新型コロナの行動制限解除に伴う観光客増加に対する２次交通の不足などを要因に挙げている。
　利用者の内訳は市民が８６４人、島外が２万８０２６人。期間別で見ると８月10日～31日が７３８０人（１日平均利用者３３５人）、９月１日～30日が７７８４人（同２９９人）、10月１日～31日が１万８９８人（同３５２人）、11月１日～10日は２８２８人（同２８３人）。９月は台風による運休で26日間の運行となったが後半は増加した。10月は全国旅行支援の開始で観光客が増えて利用者も伸びたようだ。
　時間帯別の利用実績は「吉野海岸行き」では午前10時20分発が２２４０人と最も多く、始発便と最終便を除けば１６００人台で安定しており、「北小前行き」では午後４時20分発が２４５６人と最も多く、午後６時55分発は６１６人と少なかった。午前は観光地へ向かう人、午後は観光からの帰りや市街地の飲食店に行く人の利用が多いと見られている。
　増加の要因として、観光客の増加に対するレンタカーの不足のほか、運転免許返納者や免許を持たない若者の増加、市内ホテルとの連携、旅行代理店での乗車券の取り扱い開始、実施３年目で認知度が向上していることを挙げている。
　ループバスは宮古島市の観光循環バス自走化実証事業として委託を受けた双日、中央交通、宮古協栄バス、八千代バス・タクシーなどが実施。実証運行を重ねて２０２５年度には補助金に頼らない民間負担１００％の自走化を目指す。３年目となる22年度は北小前を起点に島の南西方面を経由し、夏期ダイヤは吉野海岸、冬期ダイヤ（11月11日～２月28日）は東平安名崎を折り返すルートで運行している。