RAC多良間路線維持へ 国・県・村が推定損失5695万円を補助
沖縄県は11月30日、琉球エアーコミューター(RAC)が運行する宮古―多良間路線の2023年度確保維持計画案を明らかにした。離島航空路線の確保・維持を図るため、損失が見込まれる路線について国・県・村が連携して運航費補助を行うもの。23年度は旅客数4万5023人で5695万円の損失を見込んでおり、国が2分の1、県が3分の1、村が6分の1を負担。計画案に対する県民意見を20日まで募集している。
移動手段が空路・海路に限られている離島住民の利便性向上と地域振興を図るため、収支に経常損失が見込まれている離島航空路線を補助する制度。補助対象の条件は①当該航空路線によって結ばれる地点が最も日常拠点性を有している(多良間村の場合は宮古島市)②船舶などの代替交通機関の所要時間が2時間以上である③2社以上の航空運送事業者が競合運航していない―こと。
23年度の対象は宮古―多良間路線のみ。同路線は保有器材の重整備費の増加などにより不採算となることが見込まれており、路線維持のための措置を講ずる計画案を策定した。
同路線の旅客数はコロナ禍で大きく落ち込んだが回復傾向を見せており、23年度は19年度とほぼ同水準の4万5千人の利用を見込む。目標設定は運行回数1428回、提供座席数7万1400、搭乗率63・1%、貨物輸送量270㌧。
年間収益3億2千万円、費用3億7695万円、損失5695万円を見込んでいるため、国・県・村が連携して費用を負担する。
収益改善を図るため▽営業販売の促進・強化及び需要の開拓▽費用の効率化―に取り組む。具体的には、離島周遊旅行プロモーションの強化や体験型旅行商品開発を図り、販売宣伝や機内・旅客サービスの見直しなどを行う。また安全運航を大前提に、事業計画の着実な実行を目指す。
利用者である県民の意見を反映させるため、意見を12月20日まで募集している。県ホームページに掲載されている様式に記入し、県企画部交通政策課(aa015500@pref.okinawa.lg.jp)までメール。意見を正確に把握するため、口頭や電話では受け付けていない。計画策定の参考とし、意見の概要とそれに対する県の考え方を公表する。