市内保育施設の保育士や教諭らがグループ協議で熱心に意見を交わした =平良第一小学校

公開保育で意見交換 幼児教育の向上目指す

 沖縄県教育庁宮古教育事務所(宮城克典所長)は30日、2022年度の宮古地区幼児教育研究協議会を開催した。同日は午前に平一幼稚園の教諭が公開保育を行い、グループ協議として意見を交換したほか、午後に宮古合同庁舎で市内幼稚園の教諭らによる研究成果の発表や琉球大学の岡花祈一郎准教授の講話などが行われた。参加した市内保育施設の教諭や保育士らは、今後の幼児教育の向上を目指して熱心に取り組んだ。
 同会は指導計画の作成や保育の展開、指導過程の評価や改善について、今後の幼児教育の充実を図ることを目的に行われた。開催は新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年ぶりとなった。
 公開保育では平一幼稚園の下地利津子教諭が日ごろ心掛けている援助方法を実演。園児が友達と工夫して遊ぶことや遊びで必要となるものを自分たちで気づいて用意することに着目して用具を取り出しやすい場所に準備することなどした。公開保育後のグループ協議には約40人が参加し、それぞれの援助方法や幼児教育の向上について熱心に意見を交わした。
 研究報告会では下地教諭のほか、東幼稚園の根間玲香教諭と西城幼稚園の砂川美樹教諭が、幼児の発達に即して必要な体験が得られるための指導計画の作成。それらに必要となる工夫などを課題として、ことし5月から取り組んだ指導計画の改善に向けた研究結果を発表。
 また、幼児の言動が感覚や感情に多く表される特性などに着目し、園児との交流を保育シートに記録、振り返ることで、幼児の内面の理解や関わり方など、評価を行い指導の改善に生かした。
 事例として野菜が苦手で興味がない園児に、野菜栽培を経験した園児の話を聞きながら、栽培活動を実施。植えた野菜の写真を園内に掲示して興味を持たせる取り組みなど行ったという。
 同事務所の下地美保代さんは「公開保育やグループ協議、研究の成果、講話の内容を各園で共有し、子どもたちのために活用してほしい」と呼び掛けた。

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