IBMは再生可能エネルギー推進のため、全世界で2年間に42億円相当の支援を行う =同社ホームページより

IBMが市再エネ事業支援 分析技術など2年間提供

 米国のIT関連大手IBMは、宮古島市(座喜味一幸市長)が進める島しょ型スマートコミュニティ実証事業支援のため、同社の天候予想や分析技術などのサービスを2年間提供する。同社の支援プログラムに市が採択されたもので、このほど同社ホームページで発表した。同社は今後2年間で全世界の再生可能エネルギー利用を進める団体に総額3000万ドル(約42億円)相当の支援を行う予定。事業を担当する市エコアイランド推進課は「電力自給に向けての取り組みが加速することを期待したい」と話した。
 支援プログラムは、同社が2月に立ち上げた「IBMサステナビリティ・アクセラレーター」に市が応募したもの。プログラムには全世界の団体、政府組織から100件以上の応募があり、2022年は市を含めて5団体が選ばれた。
 同課によると、太陽光発電などの再生可能エネルギーは電力供給が一定でないため天候と電力需給の調整が不可欠で、同社の技術を活用することで無駄なく需給調整できることが期待できるという。
 同社の持つ気象予測システムやクラウドコンピューティングのデータ分析能力を活用し、市内の電力需給予測や蓄電池の放充電管理を効率的に行うことで、最終的に島内電力の完全自給を目標としている。
 同社は採択の背景を、「主要産業の観光業や農水産業を支える美しい環境と共存する市民を支援するため、マイクログリッドを始めとする再生可能エネルギー自給率向上への寄与を目指す」と説明している。
 同課の藤井大地主任主事は、「市が進める再エネ技術のなかで、ミクロの技術の部分で足りない部分があり、利害が一致した。同社には分析のプロがおり、高い成果を得られるのではないか」と期待した。
 同社のジャスティナ・ニクソン・サンティルCSR担当副社長は「クリーンエネルギーへの移行は重要なステップの1つ。持続可能なエネルギー資源に公正・公平にアクセスできるよう支援する」とコメントした。

関連記事一覧