アートが人と人つなぐ 美ら島おきなわ文化祭2022 「共生社会」で5人が語る
美ら島おきなわ文化祭2022(第37回国民文化祭・第22回全国障がい者芸術・文化祭)の「ちむぐくる(真心)ゆい(結)フェスタ障がい者交流事業先島トーク&ライブin宮古」(主催・美ら島おきなわ文化祭2022沖縄県実行委員会事務局)が13日、JTAドームで開催された。「アートがつなぐ人と人~障がいのある人もない人も誰ひとり取り残さない共生社会に向けて~」をテーマに、ゲスト5人が障がい者の文化芸術活動についてトークセッション形式で啓発した。
主催の玉城デニー知事(代読・沖縄県子ども生活福祉課、成瀬拓参事)はあいさつで「イベントを通じて障がいのある者たちの文化芸術活動に対する理解と支援の輪がいっそう広がり、誰ひとり取り残さない共生社会の実現につながることを期待している。県では障害のある者たちが引き続き文化芸術活動に参加できる環境づくりに取り組んでいく」と述べた。
この日はゲストにシンガーソングライターで初代宮古島大使の下地暁さんのほか、ノーマライゼーションダンスクルーLIBERTYの新城由喜恵代表、宮古島市視覚障害者福祉協会の川満敏昭会長、同協会の三線教室で講師を務める永井則行さん、イベントの司会を務める宮古テレビの翁長瑠美アナウンサーが登壇した。
トークセッションは▽それぞれの活動内容の紹介と文化芸術活動のいい点▽宮古島の現状、日本での現状▽障がい者にとって、文化芸術活動を行う際にバリアを感じること▽誰もが自由な文化芸術活動が行える社会にするために私たちができること―の4題で進められた。
アート活動と生活について聞かれた際、視覚に障がいのある川満会長は「活動の取り組みには予算が必要。今は市役所に必要額を請求すれば対応してくれる。個人的には社会のバリアを感じない」と話した。
会場には障文祭の大型造形ワークショップで作成された未来へつなぐ沖縄の宝「ちむぐくるの森」のほか、市内の各福祉事業所の利用者が作成した工芸作品や書道作品などが展示され、来場者の目を楽しませた。
イベントに訪れた上野在住の40代女性は「ゲストのトークを聞いて、歌やダンスなどさまざまな表現方法があるのを学んだ」と話した。