伊良部で乗合タクシー 公共交通会議が実証承認
2022年度第3回宮古島市地域公共交通会議(会長・伊川秀樹副市長)が9日、市役所内で開かれ、伊良部地区を対象とした乗合タクシーの実証実施、観光循環バス(宮古島ループバス)自走化実装事業の冬期ルート・ダイヤ変更を承認した。また、平良市街地と下地地区のリゾートを結ぶ相乗りタクシー実証を年末年始に実証する予定も報告があった。
宮古圏域の入域観光客数は、コロナ禍の行動制限緩和や国の全国旅行支援実施で回復傾向にあり、今後も年末年始に向けて増加が見込まれるが、市民と観光客の交通需要が重なるとタクシーなどの不足で移動手段が確保できないという「交通空白」が生じる恐れが指摘されている。
会議は、市民生活に必要な輸送確保と公共交通の利便性増進を図り、地域実情に即した輸送サービスの実現に必要な事項を協議するもの。伊川副市長は「今回の協議は、増加が見込まれる観光需要に対応しながら、市民の移動手段を確保する取り組みで、公共交通不足解消に寄与する」と述べ、委員に協力を求めた。
伊良部地区は大橋開通や下地島空港ターミナル供用開始以降、宿泊施設から島内のタクシー拡充を望む声がある一方、高齢化や人口減の中で住民の日常生活での移動手段確保も課題となっている。
今回の実証は、12月15日~2023年2月28日の期間内に、タクシー2社がジャンボタクシーを使い午前10時~午後10時に運行するもの。ルートは伊良部地区内で、午後6時以降は伊良部と平良間も運行する。運賃は伊良部島内500円、伊良部~平良1000円を予定。予約はウエブ及び電話で行う。
ループバスについては、従来のルートに新たにオーシャンズリゾートを加えるほか、宮古空港の到着便に合わせたダイヤに変更するもの。会議事務局によると、9月末までの利用者は1万5164人で1日平均316人となっており、利用は観光客が約9割という。