県立自然公園の見直しが検討される伊良部島と下地島全景(資料写真)

伊良部島・下地島 自然公園見直し検討

 県環境部は現在、県立自然公園に指定している宮古島市の伊良部島と下地島のほぼ全域と周辺海域について、2022年度で区域指定や公園計画の見直しを検討するための基礎調査を実施する方針だ。15年の伊良部大橋開通以降に島内でリゾート開発が進むなど地域を取り巻く社会情勢が変化していることを踏まえ、情報収集と課題を抽出することを目的としている。
 「伊良部県立自然公園」は陸域3・4㌶、海域2・3㌶の計5・7㌶。両島は隆起サンゴ礁の特徴的な地形である海食崖などで構成され、国天然記念物に指定された「通り池」に代表される鍾乳洞由来の池が散在している。また、両島の間の入り江は、河口域以外でマングローブが生育する干潟として特異な自然環境を形成している。
 これらの自然環境を保護するため県は1995年に県立自然公園に指定し、環境保全や利活用の方針などを定めた公園計画を策定した。その後、15年の伊良部大橋開通や19年のみやこ下地島空港ターミナル開業などを経て、島の利便性が飛躍的に向上。多数のホテル開発などが進んでいることから、公園区域と計画の見直しを検討する必要性が生じているという。
 このような状況を踏まえ、県は21年度で公園の現況や開発動向の基礎情報を整理。その成果を踏まえて今年度では資料およびヒアリング調査と現地踏査を実施し、区域と計画の見直しを検討する。県は見直しが前提ではなく、調査によって現状を把握することを事業の目的としている。
 現在、11月初旬に実施する調査業務に関する一般競争入札の準備を進めている。業務委託では地形や地質、植生および野生生物、文化景観・主要視点場など既存調査を補完する項目を整理し、公園資質の概況を把握する。対象地域の開発動向や土地利用方針に関する地元や、見直しに関する有識者の意見などを把握するヒアリングも行う。

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