「毎年がん検診受けて」 離島セミナーで呼び掛け
沖縄県は18日、未来創造センターで離島がんセミナーin宮古島を開催。琉球大学病院がんセンター長の増田昌人さんが「もしも宮古島でがんになったら」、宮古病院看護師の金城美奈子さんが「相談支援センター利用のすすめ」と題した講演を行った。増田さんは胃や大腸、肺などのがん検診を毎年受けるよう呼び掛けるとともに、病院と身近な診療所が連携できる宮古の利点や科学的根拠に基づいた「標準治療」の有効性などを説明した。
増田さんは宮古島市でのがん治療の提案として、胃・大腸・肺・子宮・乳房の検診を毎年受けるよう勧めるとともに「身近な診療所は病歴、生活環境を把握しやすく、適切な病院を紹介できる」として、検査結果に異常があった場合はまずはかかりつけ医に相談するよう呼び掛けた。
その上で、病院と診療所が連携できることが宮古の利点と紹介。「経過観察は診療所でも可能で、普段の皆さんを知っているため小さい変化にも気づきやすい。年に1、2回の大きな検査は宮古病院などで受け、普段は診療所で診てもらうのが一番安心」と述べた。
増田さんは宮古病院について「自分たちの能力を正直に開示しているのがとても良いところ。なんでもできるように装って実はできないのが一番危ない。良さがなかなか地元の人に伝わっていないのが残念。何かあったらすぐ本島に行く人もいるが、実は宮古の病院の方が上等なこともある」と高く評価した。
また、最先端の治療とは効果や副作用などを臨床試験で評価されている最中のもので、ベストの治療とは限らないと指摘。「科学的根拠に基づき、現在利用できる最良の治療であることが示されている『標準治療』が一番上等な治療。副作用もいろいろあるが、効果が証明された免疫療法を受けるのが良い」と説いた。
金城さんは患者や家族ががんと上手く付き合いながら安心して生活できるよう支援する、「宮古病院がん相談支援センター」を紹介。
窓口として病気や治療に関すること、医療費や社会保障制度、就労支援、家族の不安などさまざまな相談を受け、他職種と連携。専門の看護師や臨床心理士、リハビリ専門職などがそれぞれの専門性を生かし、チームとしてサポートしていると説明した。