台風接近に伴う暴風で倒伏するなど被害を受けたサトウキビ =5日午前、伊良部地区下地島のほ場

台風被害3億3900万円 サトウキビ中心に

 大型で強い台風11号は3日から4日にかけて宮古島地方を暴風に巻き込み、台風南側の雨雲が強まって大雨となり、各地で被害が出た。宮古島市(座喜味一幸市長)が5日にまとめた台風被害額(速報)はサトウキビを中心に3億3970万6千円となった。また長時間の台風によって交通の便は空、海ともに2日間全便欠航となり、市内で最大4000戸余りが停電となるなど市民生活に大きな影響を与えた。
 市の被害額は、農林水産部が3億3879万6千円で内訳はサトウキビが大半を占め3億3609万8千円、牛舎のトタン屋根39万8千円、育苗ハウス等230万円。サトウキビは市内全域で梢頭部折損や葉片裂傷があったという。今回の台風では大雨が降ったが、今後雨が降らず回復のため散水する場合は自分の利用曜日を守って行うよう呼び掛けている。
 この他、建設部は36万円で内訳は平良港第4ふ頭内外灯と臨海道路荷川取線外灯の破損がそれぞれ18万円、道路冠水や倒木もあった。生涯学習部は55万円で内訳は宮古馬牧柵破損50万円、文化ホールカーブミラー破損5万円。
 サトウキビの株出が被害を受けた下地の農家は「ことしのキビは順調に育っていたが風に吹かれて寝てしまい、折損も出ていると思う。今後追い打ちをかけるような台風が来なければ良いが」と話した。
 多良間村では最接近した3日午後11時以降は強い吹き返しの風となり、同村(伊良皆光夫村長)ではサトウキビの梢頭部折損や葉片裂傷などの被害が大きいとしている。屋根を破損した牛舎もあるという。4日午前7時半には防災無線が通信できない状況となり、5日午後2時に復旧した。また宮古製糖多良間工場では4日午後に煙突が折れているのが確認された。村内では倒木や道路標識の倒壊などが目立つという。

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