新総合体育館現在地で 用地選定委が決定
宮古島市教育委員会の新総合体育館用地選定委員会(委員長・伊川秀樹副市長)は26日に市役所で開いた第2回委員会で、建て替え予定地を現在地とすることを決定した。事務局が3カ所の候補地から委員が採点した集計結果を報告し、1位が現在地、2位が前福運動場内、3位がカママ嶺公園内だった。今後、伊川副市長が大城裕子教育長に報告し、座喜味一幸市長が最終判断する。市は建て替えのための基本計画を今年度で予定。具体的な建設時期は決まっていないが、早期着手に向けて調整を進める方針だ。
17日の委員会では、概要説明のあと3カ所の現地視察が行われ、委員が3候補地について①敷地概要②利便性③安全性・防災性④事業の経済性⑤まちづくり・中心市街地との関係⑥事業効率性―の観点から各10点、計60点満点で採点。第2回委員会では事務局が順位のみを報告。委員から異論はなく、予定地を現在地とすることを確認した。
現施設は1984年の建設から38年が経過して老朽化し、台風による屋根の崩壊や外壁天井のはく離で雨漏りが常態化。改修も実施されたが改善されず、スポーツ関係者から早期の建て替えを求める要請が実施されてきた。
建設候補地については、市民の利便性や分かりやすい場所、敷地面積が確保できる公有地、防災施設として災害対応に支障がない、建設施工しやすい敷地形状を選定基準とし、市教委で3カ所に絞り込んだ。
現在地の敷地面積は約1.3㌶で、ヘリポートとしても利用可能な陸上競技場や前福多目的運動場、市民球場が近く、津波浸水や土砂災害の危険区域外となっている。建て替えに伴う現施設の解体撤去は補助金を活用できるという。
同市が策定した基本構想によると、新体育館は「複合型スポーツ振興・人材育成拠点施設整備事業」として、1階に約6千平方㍍のメインアリーナ、約2千平方㍍のサブアリーナ、メインの2階部分に固定観覧席や運営本部室、周辺にランニングコースなどを整備する予定となっている。
この日の委員会で事務局は、収容人数を3千人、駐車場750台分が必要とし、既存の周辺駐車場650台のほか、100台分を近隣の市有地などを整備すると説明した。また、現在地での建て替えでは、隣接する保安林の一部を使用するとした。
伊川副市長は、「最終候補地に現在地を決定した。宮古島市のスポーツ拠点として多くの市民に利用される施設。スポーツアイランドにふさわしい新総合体育館が建設できればと思う」と語った。
宮古島市スポーツ協会の砂川恵助会長は、「現在地に決まったことにほっとしている。スポーツ界が求めるのは現在地。決定したことによって、拠点として活動できると期待している。子ども達がいつでも来やすく、安全に利用できる」と歓迎し、一帯をスポーツ公園化することが望ましいとの見解を示した。