福本部長(中央)から再発防止について説明を受ける座喜味市長(左) =伊良部池間添の長山港

座喜味市長、実弾誤射で巡視船視察

 座喜味一幸市長は15日、伊良部池間添の長山港で、海上保安庁史上初の実弾誤射事件を起こした宮古島海上保安部の巡視船「しもじ」を視察。同部の福本拓也部長から再発防止策の実施状況について説明を受けた。市長はマニュアル整備などを評価した上で、「二度と事故がないようしっかりと取り組んでほしい」と求めた。同部は地元自治会などの関係団体から理解が得られ次第、停泊中の機関砲取扱い訓練や、洋上射撃訓練を再開する方針。
 実弾誤射は7月19日に長山港で発生。翌20日の洋上射撃訓練のために船員が実弾を弾薬箱に補充したところ、船長が急きょ機関砲の取り扱い訓練を決定。意思の疎通や明確な指示が不足したことなどが原因で、陸地側に向かって実弾8発が発射された。
 宮古島海上保安部は訓練前のブリーフィング実施などの全庁的な再発防止策に加え、▽所属船艇が着岸中に実弾を給弾することの全面禁止▽取扱い訓練時に実弾が給弾されていないことを船長自ら目視で確認する―など、独自の対策を策定。徹底して実施した後に市長や市議会、地元自治会などに説明し、訓練再開への理解を得たいとしていた。
 この日の視察では、船長による弾薬箱の目視確認など、再発防止策に準じた訓練を座喜味市長にデモンストレーションして見せた。
 市長は「再発防止に向けた厳しいマニュアルができており、それに基づいて二度三度と確認しながら操作していることが確認できた。弾薬の補充も海上で行うことになっており、大きな課題はクリアされていると思う」と評価した上で、「二度と事故がないようにしっかりと取り組むようお願いしたい」と述べた。
 福本部長は「市議会からも再発防止の徹底を求める意見書を受けている。強く肝に銘じ、愚直に、そして全力を挙げて本件を風化させることなく再発防止の徹底を図っていく」と改めて決意を表明した。訓練再開の時期については「練度が足りないことでこうした事態を招いた面もある。地元自治会などにしっかりと説明し、理解を得られれば速やかに再開したい」とした。

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