伊良部島設置のため準備されたイタチ防除の罠
=伊良部字国仲
イタチ防除に効果 罠設置、伊良部島全域に
県の外来種対策事業として下地島などで実施してきたニホンイタチの防除が効果を現わしている。県自然保護課によると罠の設置数増加に対して捕獲頭数は減っており、個体数は減少していると推測している。2022年度は対象区域を伊良部島全域にも広げ、罠の設置数も増やしていく。
同事業は16年度から調査やモニタリングなどが行われ、本格的な捕獲を開始した20年度は下地島と伊良部島一部地域の道路沿いや林内に罠470台を設置して163頭を捕獲。21年度は罠580台で捕獲数は112頭となった。下地島西側は明らかに減少しているという。22年度は伊良部島に1240台、下地島に440台の計1680台を設置する。
イタチはネズミ駆除を目的に1960年代後半に沖縄に導入されたが、宮古諸島では固有種で絶滅危惧種のミヤコカナヘビなどを捕食していることが確認されている。県は生態系に悪影響を及ぼすため外来種リストの重点対策種に指定して防除を実施している。
同自然保護課は「着実に個体数は減っているが、数が少なくなるため今後は難しくなっていく。罠と探査犬を使って徹底的に防除する。再侵入防止の対策も必要。個体数ゼロが目標」と話す。罠はイタチの活動が活発になるこれから秋にかけて設置するが、ケガの恐れがあるため触れないよう呼び掛けている。