22年度全国学力テスト 中学国語理科が県上回る
文部科学省は28日、小学6年と中学3年対象の2022年度「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)結果概要を公表した。教科は国語と算数・数学、4年ぶりの理科。宮古島市教育委員会によると、平均正答率は市内の小学は3教科とも県内および全国を下回り、国語と算数は県、全国ともに21年度比で差が縮まった。中学は国語と理科が県を上回り、数学が同値となり、3教科とも全国を下回ったが、国語は5ポイント以内と改善傾向が見られた。
市内小学校の平均正答率は、国語が61・0%と県を2・0ポイント、全国を4・6ポイントといずれも下回ったが、その差は前年度の県5・0ポイント、全国4・7ポイントと比べると縮まった。
算数は55・0%で県との差は前年度の8・0ポイントから4・0ポイント、全国とは同9・2ポイントから8・2ポイントに縮小した。理科は57・0%で県を4・0ポイント、全国を6・3ポイント下回った。
中学校は国語が66・0%と県を2・0ポイント上回り、全国を3・0ポイント下回った。県との差は前年度のマイナス1・0ポイントからプラスに転じ、全国はマイナス5・6ポイントから縮小するなど改善傾向がうかがえる結果だった。
数学は42・0%と県と同値で前年度のマイナス3・0ポイントから差が大きく縮まったが、全国を9・4ポイント下回り、前年度の8・2ポイントから差が広がった。理科は45・0%で県を1・0ポイント上回り、全国を4・3ポイント下回った。
結果を踏まえて市教委は、各設問の正答率や誤答の状況から市内の児童・生徒の学習状況を把握し、「課題のある問題」の分析を進め、学習指導改善や充実を進める方針だ。
また、小中学校ともに算数・数学に課題が見られるとし、各学校の全国学力学習状況調査の分析を通した取り組みと連携した授業改善などの取り組みを実施する必要があるとしている。
22年度の全国学力テストは4月19日に実施。宮古島市は小学16校、中学11校のともに約550人、合計1100人が参加。各校ともに新型コロナウイル感染が拡大傾向を踏まえ、感染予防対策を徹底してテストに臨んだ。
文科省は感染防止対策で20年度を中止。21年度は例年と比べて時期を1カ月遅れで2年ぶりに実施し、休校期間との関連などコロナ禍の影響が懸念されたが、正答率との関連性は見られなかったという。
教科とは別に、学習の意欲や方法、環境、生活面などを質問する調査も実施。全国で一部の約3000校(約20万人)がタブレットを使用し、調査期間はネットワーク環境も考慮して4月19~28日とした。
全国学力テストは、学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の生活と課題を検証して改善を図り、学校での教育指導充実や状況改善に役立てることで、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立することを目的としている。