下地本部長(右)が9団体を代表して座喜味市長に要請文を手渡した =市役所応接室

資材高騰で支援要請 市長にJA宮古など9団体

 JAおきなわ宮古地区本部(下地誠本部長)含む農業関係9団体は22日、市役所に座喜味一幸市長を訪ね、長期化するコロナ禍や原油価格高騰、ウクライナ情勢などの影響で肥料・飼料などが高騰し、かつてない厳しい経営状況となっているとして、持続可能な農業生産基盤の確立に関する要請を行った。生産資材高騰と軽油引取税免除手続き緩和への支援、今年度から制度が変更された「流通不利性解消事業」の見直しを県に働きかけるよう求めた。
 要請はJAおきなわ宮古地区本部のほか、平良・城辺・上野・下地・伊良部地区さとうきび生産組合、宮古和牛改良組合、宮古地区野菜・果樹生産出荷連絡協議会、JAおきなわ宮古地区青壮年部会の9団体が連名で行い、下地本部長が代表で要請文を読み上げた。
 農業生産現場では長期化するコロナ禍や円安の進行、原油・生産資材価格の高騰によってかつてない厳しい経営状況になっている。そこにロシアのウクライナ侵攻など激動する世界情勢が加わり、生産資材の安定的な調達に支障が生じているほか、穀物類の輸出入が停滞するなど食料の安全保障にも重大な懸念が生じているという。
 下地本部長は「この状況が続けば、農業生産そのものを根本から揺るがしかねない。また、宮古のような離島地域においては、第一次産業が地域経済を支える大きな柱。地域社会の維持発展などに重要な役割を担っており、早急な対策を講じる必要がある」と求めた。
 具体的には▽生産資材価格高騰に対する支援▽県に対し「不利性解消事業」見直しの働きかけ▽軽油引取税免除手続き緩和に向けた支援―を市長に要請。
 肥料で40~53%、飼料で25~28%、施設園芸のビニール資材なども12%前後上昇しており、個々の生産農家の自助努力には限界があるとしている。また、航空輸送に対する補助単価が今年度から大きく引き下げられた「不利性解消事業」について下地本部長は「農畜産物輸送の実態が十分に考慮されておらず、生産農家の維持が危惧される。県当局に協力を働きかけ、万全の予算措置を講じてほしい」強く要請した。
 座喜味市長は「資材高騰はいつまで続くのか不透明で見通しが厳しく、全国的な課題。危機感を持って対応してほしいと国にも要請してきた。離農も起きるのではと懸念しており、市としても大規模な支援策を練る必要がある」と述べた。不利性解消事業については「離島振興の後退で宮古にダメージが大きい。元の制度に戻すべきと考えている」との認識を示した。

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