3年ぶり方言大会 渡真利さんが市長賞
第27回鳴りとぅゆんみゃーく方言大会(主催・市文化協会)が10日、マティダ市民劇場で開催された。新型コロナの影響で3年ぶりとなった大会には圏域から6人の弁士が出場し、自分の体験をもとにした話などをユーモアあふれる流暢な方言で発表し、会場に笑いを響かせた。最優秀の市長賞には渡真利朗男さんが選ばれた。同大会は方言を話せない世代が増えることを危惧し、「みゃーくふつ」の継承を目的に行われている。
今回は感染防止対策のため同劇場最大収容人数の7割、約600人分の座席とした。開会式で同協会の饒平名和枝会長は「みゃーくふつはユネスコから消滅の危機にある言語・方言として発表された。この危機的な状況に心を傾け、方言の持つ重要性を再認識する必要がある。今後も方言大会を柱としてみゃーくふつの魅力を伝えるとともに、方言の保存継承活動に努めたい」とあいさつした。
渡真利さんは「方言札」を首から下げ、ことわざの昔からの意味が現代の生活の中では変わってしまったとユーモアたっぷりに話し、会場の笑いを誘っていた。最優秀の受賞に「子どもの頃、方言札の獲得チャンピオンだったのが良かった。方言には自信があるが文章に自信がなかった。会場の皆さんの協力で素晴らしい賞を獲得できて感謝している。宮古方言は文化。何が何でも残していくもの」と話した。
成績発表で宮國敏弘審査委員長は「1つの物語をテーマに沿って話を作った方が聴き手も納得できると思う。良かった点は6人とも舞台に上がると肝が据わり、達者な方言とパフォーマンスだった。話も笑いや命の尊さ、家族の絆、文化の継承などとても良く、方言の持つ豊かさが感じられる大会だった」と講評した。
結果と演題は次の通り。
▽市長賞・最優秀賞=渡真利朗男(下地与那覇)「ことわざ んきゃーんとぅんなま(昔と今)」▽教育長賞・優秀賞=来間玄次(多良間村)「ぬーまーやでぃぬつえーぬつぬういん(馬は家族生命は生命の上に)」▽文化協会長賞・優良賞=下地朝盛(城辺保良)「やらびぱだぬぱなす(子どもの頃の話)」▽奨励賞=伊志嶺功(平良腰原)「腰原 今昔物語」、狩俣恵吉(平良宮原)「隣のあざたがぱなす(兄さんたちの話)」、邊土名清志(平良島尻)「島尻のパーントゥ」