佐喜眞さん(奥)は生徒らに「なんでもチャレンジしてほしい」と話した
=上野中体育館
佐喜眞氏、上野中で職業講話
市立上野中学校(渡久山英徳校長)は生徒らに地場産業への理解を深め職業観の育成を図るため、義肢装具士の佐喜眞保さんを同校に招き職業講話を行った。自らも障がいを持つ佐喜眞さんは義肢制作の仕事を通じて生徒らに「成功も失敗も糧にし成長してほしい」と話した。
講話には2年生が参加し、県工業連合会(古波津昇会長)の「学校と産業界の交流事業」の一環で行われた。佐喜眞さんは幼いころに結核性脊椎カリエスを患い、体の一部が麻痺。身長が伸びずに周りからいじめられ、「いまもコンプレックスは消えない」と話す。
26歳のとき建設現場から落下し、今度は両足が麻痺。その際に骨盤に鉄パイプを通し骨を摘出するという大がかりな手術を受けてからは痛みと痺れがとれ、身長も2センチ伸びたという。
その後は職業訓練校で義肢装具士の訓練を受け1980年に起業するも、客がつかず苦労の連続だったという。今ではオリジナル商品の膝関節症装具が20年以上のロングセラーとなり、スポーツ界や海外でも販売を伸ばしているという。
佐喜眞さんは生徒らに「ここまで来るのに良いこともあったが何度も挫折した。失敗しても前向きに捉え恐れずに挑戦してほしい」と話した。