来月から宮古で再エネ実証 NTTデータばど3社
NTTデータ、日新システムズ、ネクステムズの3社はこのほど、宮古島で7月から、地方自治体における脱炭素社会推進を目指した実証実験を開始すると発表した。地域に整備されている太陽光パネルや蓄電池などの再生可能エネルギー電源の情報を収集することで、再エネ自給率の可視化や最適な設備導入などを分析するもの。再エネを最大限活用するためのシステム提案や、地域経済循環や暮らしの質向上への活用につなげたいとしている。
2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて日本各地で脱炭素に関する取り組みが加速しているが、NTTデータによると、分散して整備された太陽光発電や蓄電池などの情報を公開・流通させる仕組みが十分に整っていないことが課題となっているという。再生エネルギーに関する情報を全体的に管理、分析することで電力の需要供給を正確に予測し、安定的な電力供給を可能とすることが必要となるとしている。
NTTデータは実証実験の意図を「地域にある施設を網羅的に把握することで、再エネ自給率の把握ができるほか、どこにどれだけの設備を作ることが最適なのかといった分析ができるようになる」と説明する。
実証実験では、ネクステムズが宮古島市で運用している太陽光パネルなどの電源機器を実証に提供するほか、自治体や住民との同意形成を行うという。日新システムズが機器からの情報取得や制御、NTTデータが地域ごとの再エネ自給率可視化や分析を担当する。
実証を踏まえ、「脱炭素先行地域」を目指す地方自治体に課題解決を提供することを将来的な目的とする。2030年度までに家庭などの電力消費に伴うCO2排出実質ゼロなどを実現する地域として環境省が選定するもの。今年4月に第1回の選定を行い、全国から26件の提案が選ばれた。
NTTデータは「魅力を高めてアピールするため、選定を目指す自治体は多い。地域の実態把握や効果的な取り組み提案などのサービスを提供することを目指している」と話した。
脱炭素推進による地域再生への貢献▽地域経済循環や暮らしの質向上への活用▽発電・消費状況に応じた最適なエネルギー制御・調整システムの提案―などを3社共同で展開することを想定しているという。