新し尿投入施設の建設予定地。右が現在稼働中の施設 =平良荷川取

宮古島市 新し尿投入施設建設へ

 宮古島市(座喜味一幸市長)は、平良荷川取で現在稼働している下水道投入施設に隣接して、新たなし尿等投入施設を建設する計画だ。1日当たりの処理量は70㌧となる見込みで、2025年度の供用開始を目指す。伊良部佐和田に建設予定だったし尿処理施設の計画を見直したもので、市議会が座喜味市長の不信任案を提出するなど大きな問題となっていた。地方港湾審議会が30日開かれ、建設予定地の土地利用計画変更を承認した。

港湾審議会で土地利用計画の変更を承認した=平良港ターミナルビル


 宮古島市は旧伊良部町のし尿処理場跡地周辺に、約36億円の予算で新し尿等処理施設を建設することを計画。21年度の一般会計予算に関連予算を計上、可決されていたが、22年度に入ってから現在使用している荷川取の下水道投入施設の改修に計画を変更することを検討。市議会はこれに大きく反発し、6月定例会で市長不信任案を提出。賛成少数で否決されたものの、特別調査委員会を作るなど追及を続けていた。
 市は計画変更を断行し、防衛局に事業計画を提出。荷川取回収案にも防衛省補助金が交付される見込みとなり、25年度の供用開始を目指し事業を進めている。
 伊良部案は建設費約36億円で1日当たりの処理量は49㌧だったが、新計画の建築費は約20億円で、処理量は70㌧となる。現行の施設は緊急時用などで利活用を図るとしている。
 現在は回収したし尿を20倍に希釈して下水道に投入しているが、新施設に汚水と汚泥を分離する前処理施設を整備することで、希釈倍率を8倍程度に抑える計画。これにより処理量が増えるだけでなく、下水道施設への負荷も軽減される見込みとなっている。
 建設予定地の4千平方㍍は平良港港湾計画で港湾関連用地と定められていたため、し尿処理関連施設が建設可能な都市機能用地へと指定を変更。平良港ターミナルビルで30日、港湾審議会が開かれ、港湾計画変更を承認した。
 審議会冒頭で市長は貨物船舶の大型化や海上保安部の巡視船配備、コロナ禍で止まっていた大型クルーズ船寄港再開の動きなどに触れ「早急な生活インフラ整備が望まれている。市の課題にしっかりと対応し、宮古圏域の地域経済や住民生活の安定・向上につながる港湾計画策定に協力してほしい」とあいさつした。

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