「佐良浜を考える」勉強会開く
宮古島市都市計画課は9日、伊良部前里添の多目的施設で佐良浜地区の全住民を対象に、「明日の佐良浜地区を考える」と題したまちづくり勉強会を開いた。484人から回答を得た住民アンケートで、道幅が狭く車が通れない通路や路上駐車の横行など、道路.交通に関する意見が最も多かったことなどを紹介した。地域住民が主体となったまちづくりを目指して3月下旬にワーキングショップを開催し、地域活性化の方向性などを議論する。
アンケートは今後のまちづくりに関する住民の意向などを把握するため、前里添と池間添の16歳以上の住民を対象に昨年実施された。2342人に質問を配布し、484人(20.7%)から回答を得た。
観光振興については47%が「前向き」、30.4%が「どちらともいえない」、21.9%が「静かな住環境を望む」と回答。活用したい資源(複数回答可)の1位は「海産物の活用など地域で生産されたお土産品」が74.5%で1位、「特徴ある街並みとその景観」が2位で58.4%だった。
佐良浜の良いところ、残したいところ(同)では、ミヤークヅツやハーリーなどの歴史.文化が41.2%で1位、2位は漁港.サバウツガーなどの産業.観光で39.3%、3位が斜面に形成された街並みの景観で32.1%となった。
地区特有の景観を重視する声が多く上がる一方、道幅が狭く車が通れない.駐車場がなく路上駐車が横行し危険など、道路.交通の課題に対して最多101件の意見が寄せられた。
救急車や消防車などの緊急車両が通れない幅員4㍍未満の道路が多いことも課題で、回答者の約3割が災害に対する危険な区域指定のあるエリアに居住している実態も明らかになった。
また、高齢者の憩いの場や子どもたちの遊ぶ場所といったコミュニティ形成の場を求める意見74件など、地域の課題に対し多様な声が上がった。
アメリカ在住の柳澤恭行氏がオンラインで、住民と共にまちの魅力を創出する先行事例を紹介する基調講演も行った。
3月下旬に10~20人でワーキングを実施。具体的なプロジェクトづくりや活性化の方向性を議論する。それを踏まえ、4~5月ごろに全住民を対象にした第2回勉強会を開く予定。