都市計画審議会で下地会長(左)に諮問する座喜味市長 =市役所ホール

宮古島市 都計審議会が同意

宮古島市都市計画審議会(会長・下地義治宮古島商工会議所会頭)が24日、市役所で開かれ、座喜味一幸市長が既存の用途地域9カ所の見直しと事業完了した平良港埋立地区(漲水ふ頭)を拡大する計10件の「用途地域の変更」、「都市計画区域の整備、開発および保全の方針」(通称・都市計画区域マスタープラン)の2件を諮問した。審議会は意見交換を踏まえていずれも同意した。用途変更は答申を踏まえて県知事と協議し、3月下旬にも告示、決定する。

 既存の用途変更は、一部で境界が不明瞭な部分や都市施設の機能との不整合が生じていることを踏まえ、都市施設整備や市街地動向、地区の特性に応じた各地区にふさわしい土地利用の誘導を図るため境界の明確化・整合性を図るもの。
 具体的には、境界についてあいまいだった部分を土地筆界とし、道路端から道路中心に移すほか、第1種および第2種や低層および中高層といった住居地、商業地、工業地などの用途自体を変更するもの。一部は用途に応じた規制が緩和される。平良港湾整備に伴い、第2および第3ふ頭間の埋立完了で漲水ふ頭が完成したことを踏まえ、約6.36㌶を追加、拡大する。
 区域マスタープランの変更は、2016~18年度に実施した基礎調査や近年の社会動向を踏まえて実施する。見直しは20年度で着手し、素案を策定。21年度で県は市町村意見聴取、原案作成、縦覧を行い、意見がなかったため市に意見照会している。今回は報告を兼ねて諮問した。
 宮古都市計画区域は「伊良部地域を除く宮古島市全域」となっているが、伊良部は伊良部大橋開通や下地島空港ターミナル開業の動向を踏まえて適正なまちづくりを推進するため、地域住民との合意形成の下で区域指定を積極的に検討する方針を示している。
 見直しでは人口、土地利用状況、産業の基礎調査・分析と、沖縄21世紀ビジョン総点検、新たな沖縄振興計画策定の取り組み、激甚化する自然災害の備えを踏まえた更新を実施。
 ウイズ・アフターコロナおよびSDGs(持続可能な開発目標)、多核連携型国づくり・スマートシティなどの視点と自然災害対応や関係法令改正をそれぞれ追記し、今後の人口減少問題を見据えて記載した。
 諮問に当たってあいさつした座喜味市長は、「宮古島は、これから観光振興を含めて都市計画のありようが、将来の位置付けに重要となる。今回の計画に(委員の)きたんのない意見をいただければと思う。産業振興、環境保全等に重要であり、よろしくお願いしたい」と述べ、変更に理解と協力を求めた。

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