シギラに設計変更求める
宮古島市景観審議会(池田孝之会長)は22日、2021年度第2回審議会を開き、ホテル2件の建設計画を審査した。いずれも20年7月に審議し承認したものだったが、事業者が設計の変更を届け出たもの。伊良部島のホテルは変更を承認したものの、ユニマット南西不動産(高橋洋二代表)がシギラリゾート内に建設予定のホテルについては計画変更を求め、継続審議とした。池田会長は「宮古島市の景観モデルとなるような良い建物を作ってほしい」と求めた。
宮古島市は景観計画を定めており、用地ごとに高さ制限などの建築基準を設けている。制限を超える建物を建設する際は、審議会の審査を受ける必要がある。
今回提出された(仮称)シギラミラージュホテル&レジデンスは海岸地域景観ゾーンに位置しており、高さ基準は原則13㍍以下となっている。計画の高さは約44㍍と大幅に超えているが、ホテル周辺は全てシギラリゾートの敷地であり公道が通っていないことなどから、県道235号保良上地線から見た高さが12㍍以下(計画改定前の基準による)にすることなどの条件付きで、「特例中の特例」として認められた。
最上階に行くにつれて階段状に細くなり威圧感を与えない建物にすることなど条件とし、20年度第1回審議会で計画は承認されていた。シギラ側は利用者の需要に応えるためとして客室を減らし1部屋のサイズを大きくする設計変更を行い、建設案を審議会に提出した。
11階の見付面積が211平方㍍から273平方㍍へと増加し、直方体のような建物となっていることに委員から異論が噴出。計画は認められなかった。規定では届け出から30日以内に承認・不承認を決定し、不承認の場合は是正勧告を出さなければならない。
池田会長は「これまで市と非常に良く協力して景観に配慮した建設を行ってきた。勧告を出すのではなく、話し合いで計画の変更を求めていきたい」と述べ、継続審議を決定。審議会終了後本紙の取材に対し「厳しい意見も出たが、シギラには市の景観設計の模範となる良い建物を作ってほしい」とコメントした。
届け出の承認期日は3月18日。設計の変更や申請の取り下げなどの協議を市とシギラ側で行うという。