30年先の長期構想策定 平良港「みなとづくり」で
宮古島市(座喜味一幸市長)は18日、平良港ターミナルビルで第1回平良港長期構想検討委員会を開いた。同港を取り巻く社会情勢が大きく変化する中20年30年先を見据えた総合的な港湾空間の在り方(みなとづくり)について検討するもので、2022年度に構想を策定し、23年度に構想に基づいた同港港湾計画の改定を進める。第1回委員会では委員や幹事の紹介を行ったほか、日本港湾協会理事長の須野原豊氏を委員長に選任した。
平良港は1972年の本土復帰と同時に中央港湾に指定され、宮古圏域の物流・人流の拠点として重要な役割を果たしてきた。漲水地区で整備中の輸送ターミナルをはじめ数々の港湾施設整備事業が進められており、1月には新造されたフェリーたらまⅢの就航に伴い第4ふ頭物揚げ場の供用を開始した。
また、現在整備中の22万㌧級クルーズ船対応岸壁と宮古島市総合物流センターが4月供用開始を予定している。さらなる港湾機能向上が期待されているものの、コロナ禍でクルーズ船寄港再開のめどは経っていないなど課題も大きい。
市を代表して大嶺弘明建設部長が「宮古圏域のさらなる発展を見据えた長期的なビジョンを検討する時期を迎えている。委員の皆様には多角的な視点から平良港の発展に向けた長期構想を策定していただきたい」とあいさつした。
委員長に選任された須野原氏は「下地島空港の民間利用開始や、多くのホテル・リゾート開発など宮古島の経済は大きく変化している。物資を扱う港の重要性は増しており、将来の活性化に結び付く長期構想を策定したい」と抱負を述べた。
現行の港湾計画は2008年策定。国際・国内情勢の変化を受け、20年~30年先の視野に立った長期構想を策定し、構想を基に10~15年を目標年次とした港湾計画を策定する。
第1回委員会は昨年12月の開催を予定していたが、新型コロナ感染拡大の影響もあり延期されていた。22年度中に長期構想検討の方向性や空間利用計画案を議論する。
策定した長期構想に基づき23年度、国土交通省と意見交換しながら平良港港湾計画の改定を検討する。審議会諮問などを経て国土交通大臣に計画を提出し、概要を公示する計画。