漁港内に仮置きされている撤去した軽石を詰め込んだ袋
=平良西原の真謝漁港
軽石、無断で持ち去る
宮古島市各地の海岸や漁港などに海底火山噴火による軽石が漂着しているが、ボランティアや漁業関係者が撤去作業で集めて袋詰めにした軽石の一部が無断で持ち去られていることがこのほど、分かった。軽石の漂着は依然として続いており、今後も撤去量が増える可能性があるとし、市の担当課では量的な把握が難しくなり、県補助金申請や一般廃棄物最終処分場搬入などに支障が生じるとして、注意を呼び掛けている。
ボランティアや漁業関係者による撤去では、手作業で集めた軽石を「トン袋」と呼ばれる大きな袋や土のう袋に詰めるほか、一カ所に集めたりして海岸や漁港内に仮置きしている状況。同市によると、作業後に袋の一部や集めた軽石が減っていることを漁港の数カ所で1月末までに確認したという。
漁港を管理する市水産課は関係者に委託して7カ所合計で重機使用や袋代金として400万円以上の撤去費用を計上し、全量を把握した上で県に災害復旧費として補助を申請する予定で、「数量が減ると補助金が減額する可能性もある」と懸念する。また、環境衛生課は「ボランティアによる軽石を最終処分場に搬入するが、計量が正確にできず、埋め立てに影響する」としている。
宮古島市内では昨年11月下旬以降に城辺の保良や浦底、長間、平良の高野、真謝、島尻、狩俣、池間島、下地の来間、与那覇前浜、伊良部の佐良浜、さらには多良間村の海岸や漁港など広い範囲で軽石漂着が確認され、ことしに入ってもその漂着量が増える傾向にあり、漁業や観光などへの影響が懸念されている。