新型コロナ 1カ月で初の1000人超
【那覇支局】新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が昨年12月に県内に流入してから、宮古島市を含め、県内は新たな感染の波「第6波」を迎えた。宮古島市では12月29日に約1カ月半ぶりの新規感染者が確認されたことを皮切りに1月だけで1317人の感染が確認された。1000人台の感染は始めてで、「第5波」のピークであった昨年8月の726人の1.81倍に達した。
宮古島市では1月に急激に感染者が増加。確定日ベースで1日から3日の3日間で24人の感染が確認され、市中感染の可能性も指摘された。1週間当たりの人口10万人当たり感染者数は54.1人となり、県内市町村で3位だった。翌週(3日から9日まで)は547人で県内1位となった。8日には最多となる133人の新規感染が確認された。10日から16日の1週間では415人の新規感染が確認され、減少に転じた可能性も県は指摘したが、人口比832人で県内2位と依然、感染状況は悪かった。17日から23日は195人となり、県は宮古が明らかに減少していると分析している。24日から31日分公表までで134人と減少傾向は鮮明になっている。
多良間村に住所がある人の感染も昨年9月以来の確認となったが、宮古島に在住していることから市に登録が変更された。
感染が急拡大した「オミクロン株」の症状について、県の疫学統計解析委員会によると、23日までの宮古・八重山医療圏で診断された40歳未満1077人のうち酸素投与が必要だったのは2例のみで、80歳未満の96.1%が無症状か軽症だった。一方、80歳以上の52人では、21.2%の人に酸素投与が必要だった。県の糸数公医療技監は28日の会見で「最初は若者から広がり、少し遅れて高齢者への感染が拡大しており、入院が必要な人が増えている」と話し、高齢者への重症化リスクを指摘していた。
「オミクロン株」の感染拡大の影響で宮古病院の一般診療が休止になるなど診療が制限された。また、宮古病院を含む県内21の重点医療機関でも多くの医療従事者に感染者が出ている。幼小中・高校でも臨時休校措置が取られるなど子どもたちにも大きな影響を与えた。現在は段階を踏んで31日から完全再開となっている。