来島者がまばらな中、乗客を待ち列を作るタクシー =宮古空港

市内タクシー業 運転手100人が離職

まん延防止重点措置の県への適用が2月20日まで延長されたことを受け、市内のタクシー業が悲鳴を上げている。27日、宮古空港のタクシー乗り場では来島者もまばらな中、数時間待機する運転手らの姿が見られた。県ハイヤー・タクシー協会宮古支部の下地隆之支部長によると1月の稼働率は加盟社の車両のうち実質2割程度。コロナ禍以降、運転手も3割に当たる約100人が離職した。下地支部長は27日、経営危機を訴える声が相次いでいるとし「宮古島では特に、タクシーは交通弱者にとっての貴重な公共インフラ。行政がしっかり雇用を保障する必要がある」と強く訴え、現在の補助の在り方を疑問視した。

 延長が報道された翌朝、タクシー会社では運転手らの落胆の声が広がった。下地支部長は「『今月さえ乗り越えれば』との思いで皆、踏ん張ってきた。どう慰めていいか分からない」と語った。現在、同支部加盟社の全車両は189台。1月の稼働率は例年6~7割程度と下がる傾向だが、今年はその同月比でさらに約7割減となる見込みという。
 27日、宮古空港で待機する運転手からは「3~4時間待ちは当たり前」「一日2組程度しか乗らない」など嘆く声が相次いだ。このうちのひとりは「コロナで多くの人が辞めた。50代の若者はもう残っていない」と話した。タクシー業界の人手不足はコロナ以前から課題とされていたが、さらに減少が続いている。
 下地支部長は「車がない移動困難者、子ども連れや病人、高齢者などにとってタクシーは最後の交通機関だが、各社長からは『もうやめたい』という声多い。合併などを検討する声も聞こえる」と説明した。
 下地支部長は休業する飲食店に協力金を支給する経済対策も疑問視し「私たちのほかにも卸や生産者など飲食から波及しながら保障が足りない業界も多い」と述べた。また「オミクロン株はこれまでと違い、宮古でも重症者は出ていない。観光客も減り、まず地元で経済を回す必要があるのに、自粛一辺倒で本当にいいのか。このままではいつまでも出口が見えないまま。誰かが言い出す必要がある」と主張した。

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