「樹木医」の認定証を受け取る上原さん(右)と久高課長
=27日、県庁
宮古地区で初 「樹木医」に 県が認定証伝達式
【那覇支局】2021年度樹木医認定証伝達式が27日、県庁で行われ、宮古森林組合の主任技師の上原康嗣さん(51)に認定証が授与された。樹木医の認定を受けるのは宮古地区初の快挙とみられる。上原さんは「樹木医になりたいと勉強を続けてきた。樹木と謙虚に向き合いながら、研鑽(さん)を重ねていきたい」と抱負を語った。
樹木医は樹木の診断や治療、後継樹の保護育成並びに樹木保護に関する知識の普及や指導を行う専門家であり、県内では現在、上原さんを含め26人の樹木医がいる。樹木医になるには、日本緑化センターが実施している研修を受講して合格し、登録される必要がある。同センターでは実績を踏まえつつ、優れた知識や技術を持った樹木医の資格認定に努めているとしている。全国では20年12月時点で2826人いて、九州では福岡県の98人、熊本県39人に次いで多くなっている。
上原さんは「松の木の違いも分からない状況から仕事を始め、専門医の試験も7回目で合格した。いろいろな人に教わったおかげで合格できたと思う。今後も市民の要望に応えながら地元に貢献していきたい」と意気込んだ。宮古森林組合では、現在、樹木医の診断を要するような案件はないということだが、市民から枯れそうな木や弱っている木の診断の問い合わせがあった場合に備えて樹木医の資格を持っている人が必要だという。
久高直治県環境再生課長は「近年は人々の環境保護への意識が高まっており、緑を守る樹木医の役割は大変重要になってきている。上原さんが持つ豊富な経験や知識を活かして樹木の診断、治療、樹木保護に関する知識の普及や指導を今後もお願いしたい」と今後の活躍に期待を込めた。