東平安名崎で入場協力金 環境美化に活用
保良自治会(砂川春美会長)は21日、観光客ら訪れる人々に向け東平安名崎公園(城辺保良)の入場協力金の集金を始めた。テクノ・スクエア(東京、藤田理絵代表)と業務提携し、入り口付近に自動集金機などのシステムを構築した。協力金は300円以上だが任意。周辺の環境整備、海岸の漂着ごみ清掃活動の財源確保を目的に行う。自治会は25日、保良公民館で会見を開き2日間で約8万円集まったことを明らかにし、協力金への理解と協力を呼び掛けた。
東平安名崎は2007年、国の名勝に指定された文化財で市が管理委託を受けている。自治会は保良海岸の漂着ごみが後を絶たないこと、ススキ、アダンなどの繁殖拡大による遊歩道の原野化やかつて海岸を見渡せた景観の悪化などを理由に導入を決めた。
9月に市の公園占用許可、11月に市、県教育委員会を通じ文化庁から天然記念物現状変更の許可を得て設置した。
砂川会長らは美観維持には労力があまりに大きく、短期のボランティアのみでは継続維持は不可とした。旧城辺町時代には失業対策事業による整備で維持したと説明した。城辺地区は人口減少と高齢化が課題。整備に住民を雇用することで経済対策も図る。
コンピュータソフトウェア開発企業のテクノ・スクエアは富士山や屋久島の温泉で協力金を導入・運営し、来訪者全体の7、8割と高い集金率を維持しているという。同社との提携は南城市の久高島に続き県で2例目。集金機は現金のほかQRコードによるスマートフォン決済でも入金可能。協力者には現場のスタッフがお礼にしおりを手渡す。砂川会長は「観光地の財源づくりで全国のモデルケースとなりうる試み。多くの方に協力してほしい」と呼び掛けた。
神奈川から訪れたという女性(50)は「将来宮古島に移住したいので、地域のために使うなら喜んで協力する」と話した。