平良港国際クルーズ拠点整備で建設された旅客受入施設=平良荷川取(資料)
コスタクルーズ、来月の宮古発着コロナで中止
平良港クルーズ専用岸壁及び旅客受入施設の供用開始となる宮古島発着クルーズを3月24日から予定していたクルーズ社コスタクルーズ日本支社は8日、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、運航を中止すると発表した。宮古島市によるとクルーズ船の寄港は、2月は全てキャンセルとなっており、3月以降も予定がなく、施設の供用開始のめどもたっていない状況だ。
コスタ社は昨年10月、21年シーズン日本発着で春と秋に運航予定の沖縄・台湾ショートクルーズに、新たに宮古島発着を追加する計画を発表した。具体的には那覇港発着外航クルーズで、平良港を寄港地として経由する航路を「宮古島発着」とし那覇と台湾(基隆)を結ぶもの。3月24日から4月20日まで8回の運航を設定。コスタ・セレーナ(11万4500㌧、乗客3780人、乗組員1100人)の就航を予定していた。
今回の運航中止の理由について日本支社は、世界保健機関(WHO)や国内外政府関係機関からの情報収集、感染状況の把握を踏まえ「乗客と乗務員の安全・衛生を最優先に確保するため」としている。
宮古島市によると、運航中止は2月3日に沖縄総合事務局から連絡があったという。大嶺弘明建設部長は、「経済活性化や観光客増加に期待していたが残念に思う。コロナ禍でクルーズ社が取りやめたことは理解できる」と理解を示した。
この上で今後については「感染者も減少しており、ワクチン接種もこれからはじまり、状況が変われば春から寄港が行われることが期待できる。市としては専用岸壁、旅客受入施設も完成しており、いつ寄港がはじまっても万全の体制を整えている」と語った。