PCR検査のため待機する車列で周辺が混雑した=午前11時ごろ、平良下里の宮古病院前(提供)

宮古島市、過去最多の34人

 沖縄県は26日、宮古島市で34人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりで過去最多となった。15日連続の発生となり、宮古島市によると累計は307人と一気に300人台を突破した。入院中は宮古病院37人(中等症23人、軽症14人)、民間医療機関10人、宿泊施設療養中は18人。入院調整中は37人で、うち16人はクラスター(感染者集団)が発生した高齢者施設で療養。残りは21人で人数は判明していないものの、自宅療養を開始した。25日までの直近1週間当たりの新規感染者数は10万人当たり109・84人と深刻だ。宮古島市の座喜味一幸市長は同日、感染対策で公園を含む市施設を2月7日まで全面使用禁止とすると発表した。

 県内は新たに84人が確認され、宮古島市は全体の40%を占めた。1日当たりの発表数34人はこれまで最多だった昨年8月15日の15人を上回った。新たに確認された患者は10歳未満~90代。年代別は10代6人、20代、60代、70代が各5人、40代、80代、90代が各3人、10歳未満2人、30代と50代が各1人。30人が県内患者の濃厚接触者、4人が調査中。職業確認中は25人、無職5人、会社員2人、介護士と主婦各1人。
 感染状況について県保健医療部はオンラインの説明で会食・飲食の感染を通して家庭内や職場に拡大していると説明。報道陣から17日の市長選挙との関連について質問があったが、分かっていないという。
 1日当たり34人の感染者の確認に大城玲子部長は「緊急事態宣言で会食や外出自粛をお願いしている中で拡がることを危ぐしている。協力をいただき、このまま収束していけば。市民には感染対策をしっかり徹底してほしい」と述べた。
 自宅療養する患者については、現状で宮古保健所の対応が厳しいとし、県の総括情報部が電話で健康管理する観察などを一元管理するとし、「異常が感じられた場合は保健所を通して迅速に調整する」との対応方針を明らかにした。
 現在、宮古島市の医療フェーズは最高の「5」で、病床確保数は宮古病院47床、民間医療機関10床となっている。しかし、このままでは増加する患者に対応できないとし、県が拡充を要請しているほか、宿泊療養施設(現在の利用可能部屋数23室)について増やすことも検討している。
 また、患者数増加に対応し、県対策本部や国立感染症対策のスタッフが宮古入りしているが、宮古病院の看護師不足を補うため他の県立病院から4人、感染症管理認定看護師2人を派遣(予定含む)している。
 このほか県教育委員会県立学校課は25日、市内の県立学校に通う児童生徒1人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表。医療体制がひっ迫し、濃厚接触者の調査などに時間を要するとして、29日まで臨時休校している。
 宮古島市によると、累計患者数307人の内訳は男性164人、女性141人、非公表2人となった。年代別は多い順に20代63人、30代48人、40代42人、60代41人、50代29人。70~90代の高齢者は46人、10歳未満及び10代は36人となっている。同市がまとめた20~26日の直近1週間当たりの新規感染者数は84人、人口10万人当たりは151・11人。
 市内での感染者増加を受け、県立宮古病院は26日から一般外来を休止している。2月1日までの予定だが、状況によっては延長もあるという。同日午前は救急外来外側でPCR検査を受け付けたが、一時は車両が敷地内で一時停止できず、入口から100㍍近くまで待機する車列ができるなど混雑した。

関連記事一覧