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元手350万円を1億円超に… 92歳の現役投資家・リョウジさんの投資の鉄則とは

近年、日本でも投資に関心を持つ人が急増している。国が推進する政策や企業側の工夫、投資環境の変化などが重なったためだが、長年続いたデフレからインフレ局面へ移行したことで、「預金だけでは資産の価値が目減りする」という危機感が個人にも広がった。

そして、とりわけ2024年の「新NISA(少額投資非課税制度)」導入は大きな後押しとなり、とくに20代~40代の若年・勤労世代の口座開設が目立っている。

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ただ、資産形成のための投資はギャンブルではない。余裕資金の範囲内ですべきであり、数秒単位で売買を繰り返すデイトレーダーは決しておすすめできない。金融機関に勧められるがままに退職金をすべてつぎ込むような投資はすべきではない。

そういう意味で、テレビ東京系の「WBS(ワールドビジネスサテライト)」が密着取材した92歳の現役投資家「リョウジさん」(小林良次氏)の事例は、これから投資を始めようという人にとって良い参考となる。

リョウジさんは戦後、車の部品メーカーに技術者として就職し、60歳の定年後、退職金の一部である350万円を元手に投資を始めた。当初から投資先はあまり広げず、手の届く範囲で保有銘柄は20銘柄以内に絞ってきた。

「自分が知っている範囲(の銘柄)で」投資してきたというが、これは“素人”として重要なことだ。よく知らないにもかかわらずトレンドを追いかける投資家は多いのだが、そういう人たちとは一線を画す。

そういう理由で買った銘柄の1つが伊藤忠商事。2008年にリーマンショックで資源価格が急落し、総合商社が軒並み株価を下げたが、伊藤忠は非資源ビジネスに強い商社であるために買ったのだ。

投資術の鉄則貫き、個人投資家の「優等生」に

リョウジさんは基本的に短期売買ではなく、買った株は3年持つ。「長期」「分散」は、個人投資家の投資術として鉄則中の鉄則であり、リョウジさんもしっかりこれに則っている。伊藤忠の株価は現在、2008年と比べて約30倍になっている。

そして、株価の下落局面で株を購入する際にもマイルールがあるという。株価急落場面では「落ちる“ナイフ”をつかむな」といわれるが、リョウジさんは“少しだけ”買って様子を見る。急落が止まって底値付近になったら大量に買う。これは購入時期をずらす「分散」の鉄則である。

リョウジさんはここ数年、日経平均株価の推移を自分なりにメモしており、90歳を過ぎて投資熱が冷えることはないようだ。

「株は面白いが自己責任。自分で考えて自分で買ったものが思ったとおりになったときに喜びがある。1000万円もうかるとか、1億円もうかるとか、そんなことはどうでもいい」

リョウジさんはこうして元手350万円を使って約30年かけて1億円超の資産を築いた。個人投資家の優等生である。

文/横山渉 内外タイムス

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