ドラマで話題、週刊誌記者とはいったいどんな仕事なのか
近年、週刊誌編集部が舞台や週刊誌記者が主人公のドラマが話題になっている。2025年末にはABEMAで「スキャンダルイブ」が配信され、川口春奈が「週刊文潮」記者としてスキャンダルを追ったのは記憶に新しい。
また同時期にTBSでは「スクープのたまご」が放送され、奥山葵がPR誌の部署から突然、「週刊千石」に異動になって新米週刊誌記者として悪戦苦闘した。では、実際の週刊誌記者の仕事はどうなのか。私は某写真週刊誌で5年ほど週刊誌記者をしていた。実際のエピソードを交えて実態を明かしていこうと思う。
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私が編集部に入ってからすぐにライブドア事件が起こった。私は編集長とデスクに呼び出され、ずっしりと重い名簿の束を渡された。なんだ?と思ったら、当時、ライブドア事件に絡んで名前が上がっていた村上ファンドこと村上世彰氏が通っていた灘校の名簿だった。
どうやって手に入れたのかわからなかったが、掲載されている同級生にひとりひとり電話していけということだった。すぐに向かえるように灘校のある現地から電話しろとのこと。そして編集長から一言「何か手に入るまで帰ってこなくていいから」。
実際の週刊誌記者の仕事はこういう泥臭い仕事が多い。事件取材では、マンションの端から端まで1軒ずつチャイムを鳴らしてひたすら聞き込みをしていく。本当に地味な仕事である。
そうして私は、神戸まで飛んだ。神戸のホテルで、ひとりひとり電話を掛け続け、やっと英語の先生が取材に答えてくれることになった。ついては灘校まできてほしいとのこと。
私は急いで灘校まで向かった。すると英語の先生は校長になっていた。名簿が卒業当時だから不思議ではない。私は恐る恐る「卒業アルバムを見せてもらえませんか」と言ってみた。
なぜなら写真週刊誌は、写真がないと成り立たない。なんとしても卒業アルバムを複写して持って帰らないといけないのである。「もしよろしければ、村上さんのところを掲載したいので、複写させてほしい」と頼んでみた。
校長はおもむろに席をはずし、何やら電話しているようだった。返ってきた回答は「いいですよ」。私は安どしたが、電話相手は誰だったのだろう。私は聞いてみることにした。「誰と電話していたんですか」「ああ、村上くんですよ、写真大丈夫とのことです」
最初からつながっていたのだ。こうして、本人の許可を得て、写真を持ち帰った私はなんとか最初の任務を無事果たせたのだった。
さぼって漫画を買っていたら大物芸能人を見つけ…
こんな話もあった。
私が仕事をさぼって中野ブロードウェイに漫画を買いに行っていたとき、大物芸能人が女性を連れてデートしていた。私は迷った。これをモノにしたら確実にスクープである。しかし編集部に報告したらさぼっていたことがバレてしまう。
私は数秒考えて、結果、編集部に電話していた。デスクは、「すぐにカメラマンをそっちに向かわせるから、絶対目を離すな」と言った。私は必死に大物芸能人に食らいつき、カメラマンの到着を待った。
そして、めでたく、写真はばっちり撮れた。そして、編集部に戻ったとき、デスクが「そういや、なんでお前、あんなとこに居たんだ?」私は冷や汗をたらしながら、「まあいいじゃないですか」
結果、この記事はスクープとなり、他の雑誌も後追い記事を出し、のちに2人は結婚までした。私のさぼりは不問に付された。こういう結果がすべて、一週間たったらもう前のことは忘れるようなところも週刊誌現場の特徴である。
どうだろう。少しは週刊誌記者や週刊誌の現場の雰囲気がわかってもらえただろうか。次に週刊誌ドラマがあったらこの知識を前提にツッコミを入れながら見てもらえたら嬉しい。
文/神田桂一 内外タイムス






