経済・基地問題など持論展開 県知事選候補者インタビュー
【那覇支局】宮古、八重山の報道各社は6日までに、県知事選に立候補した新人で前衆院議員の下地幹郎氏(61)、新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)=自民、公明推薦=、現職の玉城デニー氏(62)=立民、共産、社民、れいわ、社大、にぬふぁぶし推薦=に政策などをインタビューした。質問事項は①選挙の争点②県経済の回復とコロナ対策③農業、福祉、教育含む離島振興④国と県の関係⑤先島地区への陸自配備、米軍普天間飛行場の辺野古移設⑥他の候補より勝っている点ーの6点。選挙は3氏の三つどもえの展開になっている。
下地候補「基地問題終わらせる」
①普天間基地の辺野古移設が一番の争点。26年間、県民を二分する戦いをずっとしている。この溝が国の予算の配分に大きな影響を及ぼしている。この戦いを終わらせることができるかが争点。
②新たな手法が必要で規制緩和をやって経済を活性化させ、PFIを活用して景気を盛り上げ、沖縄ファーストで県内企業が仕事を獲得できる形を作る。コロナ対策では空港でのゲートチェック、24時間の無料PCR検査体制の構築、大きな療養施設を造る。
③流動人口を増やすために、船運賃1000円、航空運賃5000円の定額制度を導入する。農業は不利性事業の補助を進め、急速冷凍施設を拠点ごとに造る。教育は保育園から大学、専門学校まで無償化する。島ごとに付属高校を作ってオンライン授業を行い、15の春で島を出ることを無くす。
④辺野古移設問題で国と県が溝の深い関係になっている。全てにおいて国の支援がなければ自分の島が発展しないと思い込んでいる。その認識を改めるためにPFIを活用して自分でやっていくことで経済を動かす。
⑤陸自配備は賛成で台湾有事における一定の抑止力は必要。馬毛島(鹿児島県)に訓練基地を作っており、そこに普天間などの訓練を移転する。オスプレイは既に埋められた辺野古に移駐する。新たな軟弱地盤は埋め立てない。
⑥実現力と提案力。政策を提案する準備はできていて、後は実行して結果を出す。提案と実行のサイクルを回す能力は他の2人よりある。
佐喜真候補 「沖縄の新たな未来作る」
①復帰50年という節目の年の沖縄の新たな未来をどう作っていくかで、公約の実現性に効果的な施策を打てるかが問われている。経済イコール暮らしの状況をいかに実現できるかだと思う。
②観光関連産業に1000億円規模の支援を行う。ウィズコロナを見据えて、経済活性化の柱として、守っていき、成長させる。コロナ対策では知事としてのリーダーシップを発揮し、市町村と連携する。羽田や伊丹空港発着路線でPCRや抗原検査をし、水際対策を行う。
③極めて重要でやらなければいけない。不利性解消は極めて重要で、物価高や燃料高の支援をしなければならない。農業の安定的な収入と生産のためには一括交付金の予算を確保し、支援していくことが第一。小規模離島の15の春の経済的負担をサポートする。子ども特区を導入して日本一子育てしやすい環境を作っていく。
④今の国と県がなかなか交渉できないことからすると溝が極めて深くなっていると思う。協力するべき所と県民側の立場に立ってやるべき交渉をし、我々の主張を通していくという関係性を持つべきだと思う。
⑤自衛隊の配備には理由がある。地域の人のコンセンサス(同意)が得られる形が理想。普天間飛行場の返還の見通しも立っていない。普天間の30年までの返還のためには辺野古への移設を容認せざるを得ない。
⑥未来8条の政策や5つの目玉政策を掲げ、県民との約束を果たす。基地問題を終わらせる。全ての公約を実現する。
玉城候補「辺野古反対は民意」
①1期4年の玉城県政の政策実行の審判、経済の回復、子どもや女性、若者などの弱い立場の人への救済、米軍基地問題が争点になる。
②新沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づき、経済基盤の構築と活性化につなげ、SDGsとDXを大きな方向性にする。コロナ対策として、早期に陽性者を見つけて、療養につなげる。医療資源の適正配置や空港での水際対策を進め、検疫体制を構築する。
③「離島の振興無くして沖縄の振興無し」で一丁目一番地の重要政策。さまざまな課題解決は総合的な計画と具体的な課題の解消の両方の体制で整理していきたい。農水産畜産物はブランド化を図り、各島に合わせた6次産業化と戦略を民間と行政で連携していく。
④基地問題を挟んで対立状態にあると描かれがちだが、そんなに多くの問題はないと思う。沖縄の自立的な発展に取り組むことと国家戦略は一緒だが、基地問題で、政府に言うべきことは言い、対話による解決を求めていく。
⑤ミサイル部隊配備は計画ありきで進んでいるため認められず、全体的な住民の合意形成を図る必要がある。また、選挙などの民意で辺野古移設や埋め立て反対が示されており、普天間の1日も早い危険性の除去、閉鎖・返還と辺野古の埋め立て断念を訴え、政府に求めていく。
⑥玉城デニーとして生きた経験を活かし、県政でどのように県民に届けるか、未来の子どもたちに今、何を準備するかを自分のパーソナリティから出てくる政策から展開する。