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前澤友作氏のカブ&ピース 黒字化達成と同時に起きた批判の原因

電気やガス、モバイル通信などの生活インフラサービスを提供するカブ&ピースは、2026年2月~7月が4.1億円の営業黒字となった。半期ベースでの黒字化は2024年2月の設立以来初。前澤友作代表取締役社長の優れた経営手腕を垣間見ることができる。

カブアンドは、提供するサービスの利用者の利用料金に応じて、「株引換券」が受け取れる日本初の株式還元型プラットフォームを構築しているのが最大の特徴だ。利用料金の約1%を株引換券として受け取り、一定の条件を満たすと未公開株を取得できる。

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第4期は発行価額が1株8円で、株引換券8枚で1株を取得できる。2026年6月時点で株主数は101万を突破しており、日本企業の株主数ランキングで6位だという。5位はトヨタ自動車だ。

カブアンドが提供するサービスに「KABU&カード」がある。全国のJCB加盟店で利用できる年会費無料のクレジットカードだ。2026年2月~7月のカードの利用額はおよそ654億円。サービスの利用金額全体の8割を占めている。クレジットカードのポイントを貯めるような感覚で株引換券を集めているケースが多いようだ。

前澤氏はカブアンドの引換券・株式を保有しているユーザーに対して、証券口座の開設を呼び掛けている。12月10日までに必ず開設するよう求めており、2027年春ごろの上場が本格的に視野に入ってきたようだ。

黒字化、上場と景気のいい話が続いているが、同時に株式を併合すると発表した。現在発行している株式のうち、10株を併合して1株の扱いにするというものだ。SNSなどでは、これに対して批判的な論調も目立つ。

上場前に「追い出し」発生か

株式併合そのものは珍しいものではない。カブアンドは併合する理由を、上場後の株式の注文価格の刻みを小さくすることだとしている。例えば、注文価格の最小刻みが1円なら、株価10円では1刻みが10%、100円なら1%。10株を1株にまとめてから上場すれば、初日から価格を細かく付けやすくなるというわけだ。

併合後に100株が10株になるわけだが、それに対して資産が目減りすると勘違いするユーザーの声もSNSでは聞こえてくる。しかし、所有する株数は10分の1になるものの、1株あたりの価値が10倍になるために経済的な価値は変わらない。

引換券で受け取れるのは議決権のない種類株だが、前澤氏が持つ普通株も併合の対象である。

ただし、問題がないわけではない。1株未満の端数が現金化されるのだ。例えば、15株であれば株式併合によって1株と0.5株になるが、0.5株は現金となる。10株に満たない人は株式が失われる。

カブアンドの公式ホームページには、創業者・前澤氏の熱いメッセージがこのようにつづられている。

「日本は資本主義なのに、資本(株)を持っている人が少なすぎる。儲かっているのはほんの一部の資本家で、それ以外の人は資本の恩恵を受けていない。今すぐ資本を分散して格差を是正すべきだ。ひとりでも多くの人が株を持ち、主体的に資本主義に参加すべきだ。我々が目指すのは『国民総株主』」。

続けてこうも書かれている。「今は未公開株だ。もちろん上場を目指す。成功の果実はみんなで山分けだ。資本主義を民主化しよう」。

多くの人が株式市場に参入し、上場して果実を山分け。資本主義を民主化しようと宣言していたが、上場前になって少数株主が追い出されてしまうわけだ。

短期で黒字化したことや、上場へとこぎつけた前澤氏の剛腕ぶりは見事だ。しかし、株式併合は上場後でもできる。このタイミングで併合する意味が本当にあるのか、丁寧な説明が必要になるのではないだろうか。

文/不破聡 内外タイムス

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