6年連続で3千億届かず 内閣府が2027年度沖縄振興予算の概算要求を発表 前年比68億円増の2897億円
内閣府は8月31日、2027年度の沖縄関係予算における概算要求額を2897億円とする方針を発表した。2026年度の要求額(2829億円)から68億円の増加となり、同年度当初予算(2647億円)比では250億円の増額となった。一方で、沖縄県が継続して求めている「3000億円台」の確保には6年連続で届かない要求水準となった。社会資本整備や経済基盤の強化、子どもの貧困対策などを柱に据え、年末の政府予算案決定に向けた財務省との折衝に入っていく。
| 事業名 | 予算額 | 前年度予算比 |
|---|---|---|
| 沖縄振興一括交付金 | 783億円 | 47億円 |
| (ソフト交付金) | 358億円 | 11億円 |
| (ハード交付金) | 425億円+(事項要求) | 35億円 |
| 公共事業関係費等 | 1342億円+(事項要求) | 87億円 |
| 沖縄科学技術大学院大学経費 | 239億円 | 39億円 |
| 駐留軍用地跡地先行取得事業費 | 71億円 | 20億円 |
| 沖縄振興特定事業推進費 | 100億円 | 5億円 |
| 沖縄振興開発金融公庫補給金等 | 51億円 | 41億円 |
| 北部振興事業(非公共) | 52億円 | 2億円 |
| 離島活性化推進事業 | 37億円 | 4億円 |
| 離島住民交通コスト負担軽減事業 | 30億円 | 1億円 |
| こどもの貧困緊急対策事業 | 24億円 | 2億円 |
| フィジカルAI開発・実装促進事業 | 11億円 | 新規 |
| エネルギー低炭素化・資源活用促進事業 | 9億円 | 新規 |
次年度の要求額の内訳をみると、道路や港湾、首里城復元などの公共事業を中心とする「沖縄社会資本整備交付金」などの事業費に1342億円を計上した。県や市町村が自発的な企画で活用できる「沖縄振興一括交付金」には783億円を充てている。
このほか、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の規模拡大に向けた施設整備に239億円、市町村の自立的取組を助成する「沖縄振興特定事業推進費」に100億円を確保した。
新規・重点施策として、人手不足の解消を目指す「フィジカルAI開発・実装促進事業」に11億円、米軍基地返還後の跡地利用支援に71億円、摩文仁崖地の戦没者遺骨収集に先立つ環境整備に3億円を盛り込んだ。
また、子どもの貧困対策や学習・就労支援などの事業には24億円を要求している。
税制改正要望では、来年5月に期限を迎えるガソリン税の軽減措置の延長など10項目の適用期限延長を求めた。3年間の延長を要望する「情報通信産業振興地域」制度は、対象業種からバックアップセンター業を除外し、対象地域を県内全域へ拡大することを提案している。
また、航空機燃料税の沖縄路線に対する軽減措置については、本則特例の税率を1リットル当たり15円に据え置くとする国土交通省の方針に合わせ、沖縄路線の税率も当面の間、1リットル当たり7・5円とすることを事項要望とした。
沖縄振興予算の概算要求額は、県側が求める3000億円を下回る状況が続いている。
黄川田仁志沖縄担当相は同日、「将来にわたって県民が暮らしの向上や豊かさを実感できるよう、地元関係者の声を丁寧に伺い、財政当局との折衝などに取り組む」とのコメントを発表した。
一方、玉城デニー知事も同日コメントを出し、離島の製糖業への支援などの新規計上に一定の謝意を示しつつも「人件費、物価高等への対応を含む要望額である総額3000億円台に届かず、一括交付金も県と市町村が求めてきた所要額とはなお乖離がある」と懸念を表明した。
今後は年末の予算決定に向け、各事業の精査と調整が本格化する。




