深刻な小売り・流通の人手不足…外国人でも働きやすいファミマの「人財戦略」
ファミリーマートはこのほど10年ぶりにユニフォームを刷新した。スタッフは9月から、ユニフォームのTシャツを着用し、衛生面と安全面を満たせば服装や髪形は自由となった。
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Tシャツの下にトレーナーなどを重ね着するのもOKで、パンツは自由に選択可能。髪の色も自由だ。これまで明確でなかった基準を明文化したという。例えば、イスラム教徒の女性が着用する「ヒジャブ」などの着用を明文化して正式に許可する。
なぜ、服装の自由化に踏み切ったのか。店舗オペレーション支援本部の谷口賢二本部長は人手不足を理由に挙げる。
「約30%の加盟店が悩みを抱えている。限られた労働力を獲得する争奪戦だ」
ファミマでは、面接を受けるだけでファミペイのポイントがもらえるキャンペーンを展開するほか、スタッフ限定カラーの「ラインソックス」などでおしゃれも楽しめる工夫を考えている。
テレビ東京のWBSの取材に対し細見研介社長は「カッコイイと選ばれるコンビニにしたい」といい、こう語る。
「価値観を尊重した形のユニフォームにして、皆が働きやすい環境をつくりたいというのが狙い。応募者数は前年比150%が目標」
テクノロジーによる業務効率化が進む時代だからこそ、「店舗の価値を生み出す主役は人」という考え方で、働く側の「自分らしさ」を認めることにより、人材募集から定着までを一体で強化する狙いがあるようだ。
帝国データバンクの調査によると、コンビニを含む小売業で非正社員(アルバイト)の人手不足割合は41.1%になり、飲食業では57.7%にものぼる。
ポイント付与でアルバイトの定着に成功した飲食店は、ファミリーレストラン「ガスト」だ。週末やゴールデンウイークなど多忙なときに出勤すると時給とは別に、すかいらーく系列で使えるポイントが付与される。制度導入前(2年前)と比べ、非正規雇用者数が1万人以上増加した。
マイナビの学生へのアンケート調査「アルバイトの服装・身だしなみに関する調査レポート(2026年)」によれば、職場の服装・身だしなみの自由が認められることに、「賛成派」66.9%、「賛成でも反対でもない」24.4%、「反対派」8.7%だった。
欧米では“仕事ができる”ことと“外見”を切り分けて考えるのは当たり前のことなので、小売り・流通業での服装の自由は定着している。日本でも、働く人とサービスを受ける側の両方が外国人というケースも日常風景になっているので、グローバルスタンダードに近づいたといえるのかもしれない。
ただ、ファミマが「衛生面と安全面」に言及しているように、服装を自由にしている企業でも付け爪を禁止しているところが多いのは、最低限のルールは必要ということだろう。
文/横山渉 内外タイムス






