「民主主義だから仕方がない」片山財務相の過去の発言がSNS上で議論に
今年1月、衆院選を前に与野党がこぞって消費減税などの財政拡大を主張していたが、片山さつき財務相はテレビ東京の取材に対して、「民主主義だから仕方がない」と発言した。そのことがSNSであらためてクローズアップされ、議論になっている。高市内閣が食料品の消費税減税を閣議決定したからだ。
39年ぶり円安で物価高騰…国民が貧乏になっても高市総理は円安を止めない
ポピュリズムを嘆いて片山氏に同情しながら、それでいて、正しい政策をしてほしいと片山氏に一縷(いちる)の希望を託す投稿が目立つ。
「元エリート財務官僚の片山さんが、インフレ下の消費減税という間違った経済政策をやるなんてとても残念です。今まで多くの人が警告してきたのに、何故耳を傾けないのですか? 民主主義だから仕方ないと諦めていたら、この国は本当に終わりますよ」
「つまり、賢い人たちは分かっとるんです。分かった上で、選挙で国民が拡張路線を選んだ以上、止める大義名分がない。財務大臣は本来ブレーキ役です。その人が『民主主義なので』と言うのは、事実上『私はもう止めません(止められません)』という宣言に近い。無謀と分かっとっても上がやれと言う以上は手を尽くす、山本五十六の心境と言われてて草」
元衆議院議員の山尾志桜里氏は「趣深い政治家の言葉として共感してしまった件」と片山氏に同情し、次のように投稿している。山尾氏も公約だから守るしかないという意見のようだ。
「(前略)与野党ともに前回選挙は『消費税下げ合戦』だったわけで、訴えた政治家も選んだ国民もこの結果を引き受けるしかないし、それが民主主義。ここまできたら2年間食料品(しかも)1%を前提に、どうにかその間住宅ローン急騰とか円暴落のリスク管理を頑張って頂き、2年後にはもう少し緻密な財政計画を示してもらいたい」
今後予想されるトランプ政権からの圧力
7日、将来の事務次官候補とも目されてきた主計局のエースが東京税関長へ異動する人事が行われ、注目されている。報道によると、官邸幹部は「政権にあまり協力的でなかった」と説明している。消費減税をめぐって、政権と摩擦があったのだろう。
選挙で選ばれた政治家が官僚人事を通じて政策遂行力を高めること自体は、政治主導の範囲内だ。しかし、専門的見地から異論を唱えると中枢から外されるというシグナルが霞が関に広がれば、官僚は次第に政権にとって耳あたりの良いことしか報告しなくなる。それは、権力者への忖度(そんたく)が政策判断を左右する中国やロシアのような権威主義国家と同じである。
ただ、今回の消費減税はすでに内政だけの問題ではなくなっている。アメリカのベッセント財務長官はインタビューで、日銀に追加利上げによる金融政策の変更・正常化を強く促している。そして、トランプ政権は高市早苗首相の消費減税を苦々しく思っていて、専門家は「今後は減税によって起こる円安への対策を求めてくる」と指摘している。
アメリカにしてみれば、表立って「消費減税やめろ」とは内政干渉になるので言いにくい。片山氏は公約だからという理由だけで押し切ることが本当にできるのか。
税金は1円でも安いほうがいいし、増税はイヤだ…。誰だって同じだ。しかし、そんなポピュリズムに応える選挙公約を、政治家はどこまで守るべきか。永遠のテーマとも言えるが、日本では今まさにそれが問われている。
文/横山渉 内外タイムス






