地域の課題に市当局が姿勢を示した =25日夕、市役所2階・大ホール

市街地の声、直接市へ 平良北地区 暮らしの課題を地域懇談

 宮古島市は25日夕、市役所で平良北地区を対象とした地域懇談会を開き、同地域の各団体と市長、副市長、教育長、各部局長が一堂に会し、道路整備や学校周辺環境、公園管理など多岐にわたる課題を共有した。会場では事前アンケートに基づく市の回答、説明と意見交換が行われ、参加者は生活に直結する問題解決に向け積極的に意見を述べた。市は昨年度から旧町村4地区で懇談を開始しており、今年度は市街地全域で実施している。
 懇談会は嘉数登市長が別の公務のため不在。砂川朗副市長が「合併20年を節目に、地域の声を行政運営に反映させていきたい」とあいさつした。東小PTAと北体協、東川根、保里二区、下崎、荷川取の各自治会の代表者が出席して質疑を行ったほか、漲水と添道地区からの地域課題にも市がそれぞれ見解を述べた。
 保里二区自治会は、県道76号線の歩道整備や通学路の安全対策を要望。市は「道路拡幅や歩道整備は優先度の高い箇所から順次取り組む」と回答し、北中学校周辺の排水改善工事については「年度内完了を予定している」と説明した。
 下崎地区は路線バス再開を要望。市は「交通弱者支援の重要性は認識している。住民やバス会社との協議の場を設ける」と回答。登校路の危険箇所については「現地を確認し、修繕の可否を判断する」とした。
 荷川取自治会は拝所や井戸、人頭税石など文化財の管理、市道B1号線の整備、下水道接続負担の軽減、公園管理改善など幅広い課題を提起。市は文化財について「人頭税石は歴史的重要性が高く、綾道でも紹介されている。前向きに検討する」と回答。公園管理は「利用頻度を基準に整理統合も含めて検討する」とし、下水道接続については補助制度と工事費融資制度の併用を案内した。
 東川根地区は中央公民館の飲食利用、街灯設置、横断歩道整備を要望。市は「飲食は和室を中心に調整」「街灯は県道等を中心に検討」「横断歩道は早急に関係機関と調整する」と答えた。
 漲水地区からは旧平良市役所跡地の活用について質問があり、市は「民間資金を活用し、店舗や公園整備を含めた複合施設として整備を進める」と方針を示した。
 また、教育関連では陸上競技場前の信号機設置を求め、市は「警察へ要望書提出済み。決定から設置まで約1年以上必要」と説明。学校周辺の市有地修繕も進めるとした。
 道路行政に関しては、複数地区から道路整備に関する要望が集中。E76号線では「清掃センター建設協定に基づく整備」を求める声が上がり、市は「協定内容は認識しており、事業規模や優先度を踏まえ検討する」と回答。E59号線については「道幅不足で消防車が通行できない」との改善要望に対し、市は「早期着手へ向けて予算確保に努める」と答えた。
 北中学校の進入路が40年間私有地利用のままという課題については「道路建設課と教育委員会が連携し、調査と用地買収の可能性を含め検討する」とした。
 自由意見交換では各団体が順に追加の質問や改善要望を述べ、市は対話を通して地域課題解決へ向けた姿勢を示した。

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