公的な立場で空き家対策へ 市、2支援法人指定 利用可能74件から意向調査
宮古島市(嘉数登市長)は4日、「空家等管理活用支援法人」に公益社団法人沖縄県宅地建物取引業者会(渡久地政彦代表理事)、営業所となる宮古地区宅地建物取引業者会(宮國寿成会長)と特定非営利活動法人空家・空地管理センター(上田真一代表理事)を指定したと発表した。2024年度調査では813件の空家が確認されており、市と法人は連携して空家対策に乗り出す。実態調査に基づき、すぐに利用可能な74件から優先し特定された所有者への意向調査や同意取得を実施する。
23年12月に施行された空家対策の推進に関する特別措置法で新たに空家等管理活用支援法人に係る制度が創設。その制度により指定を受けた民間法人は公的立場から活動しやすい環境で空家等対策に取り組む市町村の補完的な役割を果たす。
市は8月に県内初の支援法人を指定。今回2団体を新たに指定した。発表は嘉数市長、宮古地区宅地建物取引業者会の宮國会長、同センター上田代表理事代理の友利昌博北斗リゾート宮古事業部長が行った。
嘉数市長は「現在先行する支援法人で調査し、活用できる空家の選定を進めている。昨年度実施した空家調査の結果、利用可能な空家は74件、小規模な修繕で利用可能な空家が319件。全体で約4割近い空家は何らかの修繕すれば利用可能の状態が報告されている。今後指定の法人の協力のもと利用可能な空家から利活用を進めていきたい」と述べた。
宮國会長は「宮古島で賃貸住宅が不足し賃料が高騰していることは地域経済にとって芳しいことではなく、一定水準の値を超えないような賃貸住宅の提供を行うことは重要。不動産の権利関係は複雑な事も多いので関係各局・関連産業団体などと取り組んでいきたい」と述べた。
県・宮古地区宅地建物取引業者会は、空き家等の管理や活用の方法に関する情報の提供、相談などの援助を行う。
友利部長は、空家・空地の維持管理業務などを行っている同センターの相談窓口業務や相談対応の事業期間終了後の継続方針、得られる効果などについて説明。空家等の所有者から相談があった時は利活用方法に関して成功事例の紹介を含め、所有者の意向や住環境を調査し、市場性も含めて可能性のある複数の利活用提案を提示する。
空家実態調査で不良度判定を行った813件のうちランクA物件(管理に特段問題はなく、現況で利用可能)が74件(9・1%)、ランクB物件(管理は行き届いていないが比較的小規模な修繕で利用可能)が319件(39・3%)、ランクC物件(倒壊の可能性はないが、現況での利用は支障あり)が41件(17・3%)、ランクD物件(倒壊の可能性があるなど現況での利用は困難)は279件(34・3%)となっている。


