条例制定へ向けた第1回会議が開かれた =19日夕、市役所・会議室

健やかな育ちを社会全体で 第1回会議 条例制定へ向け議論

 2025年度第1回宮古島市子ども・子育て会議が19日夕、市役所で開かれた。市や保護者代表、事業者、労働者代表らで構成される同会議は、地域の子育て施策を検討・調整する場で、この日は「子ども・子育て支援条例(仮称)」制定に向けた勉強会として位置付けられ実施。条例は「子どもの健やかな育ち」「豊かな子育て」「社会全体で支える仕組み」の三本柱を掲げ、人口減少や少子化、貧困家庭への対応を背景に検討されている。
 冒頭、嘉数登市長のあいさつを子ども家庭局の幸地幹夫局長が代読し「市として条例制定の準備を進めている。ワークショップなどで声を受け止め、健やかな成長を支えたい」と強調。続いて新任委員の紹介、事務局からの基本構想の説明があった。
 条例の背景には、人口減少や少子化の進行に加え、貧困やひとり親、障がい、依存症といった困難を抱える家庭の存在がある。その上で、ニーズ対応と構造的アプローチの両立が必要とされ、自己責任論を乗り越えた行政や教育機関、企業、地域が協働して支える仕組みを目指すものとされた。
 勉強会では、市家庭保健課の下地慶司さんが児童虐待の相談件数増加を報告し、「未然防止には地域全体の関わりが不可欠」と訴えた。市生涯福祉課の清家美奈さんは発達障害への支援を取り上げ、早期発見と切れ目のない体制構築の重要性を指摘した。沖縄こどもみらい創造支援機構の新城宗史さんは児童館の役割を説明し、居場所づくりを提案。オンライン講演した沖縄じんぶん考房の山﨑新代表理事は「子どもの権利は社会全体の責務」と訴えた。
 嘉数市長の公約でも掲げられた少子化対策や子どもの健やかな成長支援に直結する条例となるか、今後の議論の行方が注目される。市は市民意見を反映させ、制定へ向け論点整理を進める方針だ。

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