
ウクライナ東部ドネツク州でロケット弾を発射する高機動ロケット砲システム「ハイマース」
(写真・共同通信社)
日米共同訓練へ地元温度差 与那国町長、搬入に反対 初展開のハイマース
9月に予定される日米共同実動訓練「レゾリュート・ドラゴン(RD)25」で、米海兵隊の高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」が初めて与那国島に展開される見通しとなったことを受け、同町の上地常夫町長は29日、「この島にそうした武器を持ち込む訓練はなじまない」と明言し、搬入を容認しない意向を表明した。上地町長は防衛省の訪問を受けたものの、訓練の詳細は提示されておらず、島民の安全や選挙公約を背景に、オスプレイ使用も含め反対姿勢を強調した。正式な説明は9月5日を予定。
町長選で初当選した上地氏は、米軍と陸自が行う共同訓練について「訓練の中身次第では受け入れる可能性はある」と一定の柔軟性を示しつつも、ハイマースおよびオスプレイの与那国島搬入については「公約に基づき反対する」と断言した。
防衛省からの説明は9月5日に行われる予定で、現時点では訓練の具体的内容は町に伝えられていないという。
ハイマースは、車両にロケット発射システムを搭載した長射程の自走多連装ロケット砲で、最大射程約92㌔、精密誘導弾を用いた高精度攻撃が可能。短時間で発射・離脱できる点が特徴で、露ウクライナ戦争でも後方支援施設への打撃で使用されている。
与那国島への配備は今回が初めて。町長は「車両やオスプレイのような兵器を持ち込む形の訓練は島の環境や住民感情にそぐわない」と述べ、昨年、駐屯地内でオスプレイが事故を起こした経緯にも触れ、再発防止の観点からも慎重な姿勢を示した。
訓練は9月11日から25日にかけ、与那国島のほか、石垣島や沖縄本島でも実施される見通しで、過去最大規模となるとされる。ハイマースは今回、実弾を用いない非実射形式での対艦戦闘訓練への投入が検討されている。