インタビューに答える(写真右から)奥間候補、和田候補、高良候補 =那覇市

参院選、注目の沖縄選挙区 候補者3人が持論展開

 第27回参院選の20日の投開票を前に選挙戦が終盤に入る中、沖縄選挙区に立候補した自民党公認の奥間亮(38)=公明推薦=、参政党公認の和田知久(65)、無所属で「オール沖縄」勢力が推す高良沙哉(46)=立民、共産、社民、社大推薦=の3候補に宮古、八重山の各社がインタビューした。質問項目は①争点②最も訴えたい政策③離島振興策④台湾有事と自衛隊配備強化(南西シフト)に対する考え⑤米軍普天間飛行場の辺野古移設問題⑥「ひめゆりの塔」を巡る西田昌司参院議員の歴史認識発言の受け止め⑦玉城デニー政権の評価⑧石破茂政権の評価―の8項目。

◆奥間亮候補 離島振興の政策推進
地域防衛、住民理解必須

 ①島々を回る中で、暮らしの厳しさを肌で感じた。今の選挙は、生活者・消費者に寄り添い、物価高対策を「現実的に実行できる候補者」を選ぶ選挙だと位置づける。
 ②離島振興を「一丁目一番地」に掲げ、特に移動費や燃料費の軽減を重視する。これは単なる家計支援ではなく、地域経済も動かす「一石二鳥の政策」。公共交通の無料化、交通弱者へのタクシー補助、車の購入補助なども取り組み、航空機、フェリーの運賃割引をさらにかさ上げする。
 ③離島住民から新築の建築単価や、アパート家賃も高い。医療、福祉などエッセンシャルワーカーが住みづらいという課題を多く聞いた。官民連携で集合住宅を造れないか。住宅建築に補助金を交付することなども必要。
 ④地域を守る力として最低限の防衛力は必要だが住民や議会の理解を得ることが大前提。それができた上で進められているものと評価する。
 ⑤普天間飛行場の危険性を現実的に除去するため、現行計画を容認するが県民投票や知事選結果から反対する県民感情や複雑な思いも承知している。
 ⑥言語道断。大学時代に沖縄戦や学徒隊の歴史を学んだことが政治家を志すきっかけであり、発言に精神的ショックを受けた。戦争体験者や親族のショックは計り知れない。発言は決して認められない。
 ⑦評価できない部分が多い。宿泊税で方針が二転三転し、自治体の信頼も損なう。公約の実現率がかなり低いことも指摘されている。バス無料化の実証事業はよかった。
 ⑧まだ発足して1年弱で、評価する段階まで来ていない。参院選の民意を踏まえて、これからどう反映するかで評価が分かれる。

◆和田知久候補 子ども1人に10万円給付
国民負担率35%目標

 ①参政党が掲げる「3つの柱・9つの政策」を通じて、物価高・経済対策を重視。特に少子化対策として、0~15歳の子ども1人につき10万円を給付する政策は、子どもが多い沖縄にとって最高の政策だ。
 ②減税と積極財政で、税と社会保障をあわせた国民負担率を現在の46%から約35%に引き下げることを目指す。内需拡大と経済成長により税収を確保しつつ、負担軽減を進める。外国を優遇しすぎている政府は外国人をコントロールすべき。
 ③また、外国人観光客の増加で土地・家賃の高騰が発生している。また水や食料の問題もある。沖縄は食料自給率が低く、特に離島の場合は流通遮断時の整備が急務であり、食糧倉庫が必要だ。
 ④危機が予見されているので、それに対応する設備、自衛隊の増強は必要だ。強化しなければ他国に奪われる恐れがある。
 ⑤工期もコストもはっきりしない。そういう工事を続けていいのか。トランプ米大統領もそうだが、米軍の世界戦略自体が変わりつつあり、計画の見直しが必要。県は裁判を行ったが、結果的にはコストをかけて工期を遅らせただけ。コストは全部税金。計画を変えるなら政権を取らないといけない。
 ⑥誤った発言内容は訂正すべきだ。ひめゆりの塔に関連する「自虐史観的な教育」が若者の自信喪失につながる。過去を過剰に悪とする教育は見直すべき。
 ⑦知事としての安全確保などの役割は一定評価するが、辺野古問題では効果が出ず、税金が浪費された。支持しないが、石破政権よりはましではないか。
 ⑧全く減税する気がない。農業政策も失敗。米の価格政策も不可解。0点だ。

◆高良沙哉候補 消費税5%暫定税率廃止
政治の中心に「生きる」を

 ①物価高で国民は疲弊しており、消費税とガソリンの暫定税率廃止が重要だ。消費税は5%への緊急引き下げを行う。生活者の視点を政治に反映させることが求められている。
 ②「『生きる』を政治の真ん中に」「憲法の理念をしっかり政治に生かす」を訴える。日々の暮らしを安心して生きることを確立する。多様性を尊重し、選択的夫婦別姓や同性婚の実現を掲げ、性別や障害による差別のない平等な社会を目指す。基地被害がない沖縄で平和に生きていくことも掲げる。
 ③分蜜糖工場の更新は国政から支援が必要だ。飼料高騰など離島の不利性を解消し、産業が成り立つよう支援する。家賃高騰は介護、医療、教育などの人材確保の上でも課題だ。離島をたくさん抱える沖縄だからこそ、課題を「見える化」し、国政から取り組まなくてはならない。
 ④有事の際に軍事利用することが前提で、平時に軍事訓練することにつながり、島々にとって過重負担になる。沖縄を戦場にする計画には異議を唱える。日本は平和憲法を持っている。対話によって緊張を緩和する役割を担うべきだ。反対する。
 ⑤米軍普天間飛行場は交換条件なしの閉鎖撤去を求める。軟弱地盤で、完成の見通しも立たない辺野古新基地建設は中止すべきだ。
 ⑥強い憤りを感じた。沖縄が積み重ねてきた歴史を歪曲、冒涜するものだ。歴史を修正する背景を持った発言だ。
 ⑦沖縄の民意を背にして政治を担っており、支持する。宿泊税は、離島が不利にならないよう取り組むべきだ。
 ⑧日米地位協定の改定は進まず、辺野古新基地問題では思考停止と感じる。沖縄の軍事要塞化を進めている。とても支持できない。

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